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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

タイムトラベルシミュレーションは情報量保存を必要とする

タイムトラベルシミュレーションをする時、未来から受け取った情報は、過去へ送る情報と等しくなくてはいけません。


未来、現在、過去

タイムトラベルをシミュレートする方法はたくさんありますが、このページでは、未来、現在、過去の3つを用意して、それらの間で通信させる方法について考えてみます。

話を理解しやすくするために、もっともタイムトラベルを可能な限り単純化します。なにもない宇宙に1が未来からやってきて、それがそのまま過去へ送られるのでまた宇宙は無に戻るのです。

このようなタイムトラベルをシミュレートする方法の一つは、次の図のように3つの宇宙を用意して、それらの間で通信させるというものです。つまり、1という数字がたんに3つの宇宙の間を移動しているだけです。

情報量保存

この図から明らかなのは、現在役が未来から受け取るものと過去へ送るものは同じでなければならないということです。

ただし「同じでなければならない」というのは少し厳しすぎる言い方かもしれません。というのも、次のような”別解”も同様に正しいからです。

最初は過去役の0と1を入れ替えており、2つめは色、3つ目はひらがなを情報として使っています。一見メチャクチャなようですが、これら3つはすべてタイムトラベルのシミュレーションとして適切です(図としては見にくいですが)。

なぜかと言うと、情報はその処理の仕方こそが大切だからです。コンピュータは0と1を使って情報の処理を行いますが、もし0と1の役割がそっくりそのままひっくり返ったコンピュータ(実在します)が円周率の計算をしたらどんな結果を生むでしょう?もちろん、正しい円周率が出てきます。そのコンピュータの素子は0を出力すべきときに1を出力するのですが、1と解釈すべきとき情報を0と解釈するので、結局何も変わらないのです。

というわけで、タイムトラベルのシミュレーションも、過去役の宇宙の0と1をひっくり返しても、解釈の辻褄さえ合わせてしまえばシミュレーションとして正しいのです。同様に、色で表してもひらがなで表しても問題ありません。無数に正しいやり方があるのです。

ただひとつ守らなければならないことがあります。それは、最初の状態と次の状態が異なっていなければならないという点です。つまり、過去役は必ず変化しなければいけません(その変化の内容は問いません)。何でも良いので、情報を伝えることこそが、今回のタイムトラベルシミュレーションの条件なのです。現在役は情報を受け取ったら、同じ情報量を過去役に送る必要がありますが、その中身は問われません。

擬人化した表現

「タイムトラベルシミュレーションの現在役は情報を受け取った時、過去役に同じ情報量を持った変化を引き起こさなければならない」

このことを記憶にとどめておくために、擬人化した表現をしてみましょう(擬人化した表現をすると忘れにくいものです)。

現在役に車を見せたとします。するとシミュレーションがまだ不完全な現在役は、かろうじてそれを指差し「くるま」という音情報を過去役に送ります(本当は車を作るべきなのですが、まだ不完全なのでこれが精一杯なのです)。すると過去役は、「そうだね。くるまだね」と答えます。これは現在役から過去役へと情報が伝わったことを意味し、その経路を強化することがより正確なタイムトラベルシミュレーションへつながります。

もし過去役が現在役の言葉を無視したらどうなるでしょう?すると、その経路は強化されないままとなります。というのも、タイムトラベルシミュレーションというのは手当たりしだいにあらゆるパターンを試してみて上手く行ったものを強化するといいうものであり、上手く行かなかったものは強化されないか、最悪の場合弱められるものだからです。言葉の無視は、現在役の認知能力を向上させないばかりか、低下させる可能性すらあるのです!

まとめ

タイムトラベルシミュレーションをする方法の一つに未来、現在、過去の3つの宇宙の状態を並べて互いに通信させるという方法があります。この場合、現在は未来から受け取った情報をかならず過去へ送らなければなりません。つまり、受け取った情報量と同じだけの変化を、過去役に引き起こさせるのです。

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