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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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タイムトラベルをシミュレートする時、まずはタイムトラベルのない世界の歴史を何度もシミュレートして、その中からタイムパラドックスが起きなかった歴史のみを残すという方法があります。この方法では、本来起きるはずの現象が起きなくなるという意味で確率が変化します。この確率の変化というのは面白い現象なので、赤ちゃんがガラガラを振り回すように、いろんな状況でシミュレートしてみたくなります。ここでは、この種のタイムトラベルのシミュレーターがあった時、それで何らかの化学物質の分解をシミュレートすることを考えてみます。この時、物質の分解速度は学習が進むにつれ――抗体が出来た免疫のように――上昇していきます。
ビーカーになにかの化学物質を入れるところを考えてみましょう。そのビーカーにはあらかじめその化学物質を分解する酵素か何かがたっぷりはいっています。するとビーカーの中のその物質の濃度は一時的に急上昇し、やがて分解されて0になるでしょう。
これは次の図のように、一種のタイムトラベルとみなすことが出来ます。ビーカー内に物質が入るのが未来からのタイムトラベルであり(それまでの歴史からは予測できない出来事)、分解されていくのが過去へのタイムトラベルです(未来からやってきた物質がそのまま過去へ飛びループを形成する)。
もしこのような状況をタイムトラベルのシミュレーションで表すとしたら、学習によって分解は速くなっていくでしょう。というのも分解が「タイムトラベルをタイムパラドックスを起こすことなくシミュレートできた」状況だからです。タイムパラドックスのない歴史をたどる確率が学習によって上昇するというのは、ある時間内に分解に成功する確率が上昇していく(つまり分解速度が上昇していく)ということを意味するのです。
[Start]ボタン:シミュレーションを開始します。
[学習]ボタン:タイムパラドックスのない歴史が起きる確率を少しだけ上昇させます。つまり、一定時間内に分解に成功する確率が上がり、結果として分解速度が上がります。
[リセット]ボタン:学習結果をリセットします。
これはビーカーに放り込まれた化学物質が分解されゆく様子をタイムトラベルと組み合わせたシミュレーションです。
[Start]ボタンを押してみてください。徐々に減少する緑色のグラフが表示されます。これはビーカーに投入された物質が分解され量が少なくなっていくということを表しています。(線がギザギザしているのは、分解には偶然の要素が関わっているからです)
つぎに[学習]ボタンを押してみましょう。学習は分解をタイムトラベルとみなしたときのタイムトラベル成功確率を高めます。つまり分解がより速やかになります。ふたたび徐々に減少する緑色のグラフが表示されますが、ほんの少し分解が速くなっていることに気がつくかもしれません(偶然が関わるので、速くなっていない可能性もあります)。[学習]ボタンを何度も押すと、分解速度の上昇がはっきりと分かるようになるでしょう。
右に表示されている「分解」「分解しない」という2つの矢印は、ある瞬間に物質の分子が分解される確率を表しています(分解は確率的な現象なのです)。「分解」の矢印が太いほど分解成功確率は高くなります。[学習]ボタンを何度も押すと、「分解」矢印が太くなっていくことがわかります。分解こそがタイムトラベルであり、学習によってタイムトラベル成功確率を上げていけば分解成功確率も上がっていくのです。
化学物質の分解を、物質が未来からやってきて過去へ送られるループを形成するタイムトラベルとみなせば、タイムパラドックスの起きない歴史が現実になる確率を上げていくシミュレーションは、分解速度を上げていく結果になります。