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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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スタートとゴールが決まっていて途中の経路を考える時、途中に力が加わることが予想されるなら、経路のどこかでその力に逆らわなければいけません。キャッチボールするときは、ボールを少し上に投げないと、相手の手に収まる前に重力によって地面に落ちてしまうのです。
無重力状態でキャッチボールをする時と、地上でする時は投げるべき方向が違います。地上では、少し上に向かって投げなければいけません。
これは、重力によってボールはすこし下に落ちるからです。目標に当てるためには、その分上に投げる必要があるのです。
面白いのは、重力があたかもボールを持ち上げているかのように見える点です。もし目標なしに考えるのなら、重力によってボールは下に落ちます。しかし目標があってそこにボールを当てなければいけないのなら、重力による落下分を打ち消すため、ボールの軌道を上に上げなければいけないのです。そのため、重力を強くすれば強くするほど、ボールの軌道は重力に逆らっているかのように上がっていきます。
力がかかり、時間の経過によってボールの位置がずらされてしまうのなら、その分、時間を逆転してやればよいのです。重力のある世界での時間逆転は、上へ登ることです。
2つのボールを正面衝突させて、片方のボールを目標に当てる時も同じ考え方をすることができます。
これは青いボールとオレンジ色のボールを正面衝突させた図です。オレンジ色のボールの質量を0にすると、青いボールは真っすぐ目標に飛んでいきます。質量が0ということは、当たった時の衝撃も0だからです(空気中のホコリに当たったとしても、衝撃を感じる人はいないでしょう。人と比べるとホコリの質量はほとんど0に等しいからです)。
いっぽう、オレンジ色のボールの質量を大きくすると、選択肢は2つになります。そのまま真っ直ぐ目標に飛んでいってもいいですし、猛スピードでオレンジ色ボールにぶつかって跳ね返って目標に到達しても構いません。つまり、オレンジ色ボールの質量によって、青いボールは動けるようになるのです。
こうなるのは、オレンジ色ボールが重たいほど、衝撃が大きく、それに逆らうための速度も大きくなるからです。ボールの衝突の場合も、外部からの力に逆らう動きがあるということがわかります。
ちなみに、この例を変形することで重力で落ちるボールの動きを再現できます。眼に見えないほど小さなボールを、速度を慎重に調節しながら連続的に青ボールにぶつけ続ければよいのです。そうすれば青ボールは少しずつ軌道が変わっていき、カーブを描くでしょう。
この2つの例はどちらも、目標を達成するのを邪魔するはずの力が、活力をもたらすという逆説的な状況です。もちろん邪魔する力が強すぎると目標を達成できなり良くないですが(ブラックホールの上でキャッチボールをしたとしても、相手に届くかは疑問です)、ほどほどなら、逆に動きをもたらして、見ていて面白いでしょう。もし全く外部からの力が存在しなかったら、一直線に飛んで行くだけで、そのような動画をYoutubeで見かけたとしても、すぐに別の動画に移りたくなるはずです。
この現象は日常的に起きています。たとえば、電車が発車する時、あなたは吊革を握りしめ、足に力を入れるはずです。外部からの力に抵抗しようとしているからです。もしそうしなかったら、あなたは倒れてしまうでしょう。この例は、上の2つの例のように未来の状態が完全に決まっているわけではありませんが、大雑把に言って似たようなものです。目的を持っているものは、外部からの邪魔する力に対抗するだけの力を持とうとするものなのです。