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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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物体が落下する時の軌道は、重力の向きを逆転したときと時間を逆転したときで異なります。両方とも上へ向かう運動をしますし、両方ともカーブを描くのですが、カーブの向きが違うのです。しかし、もしカーブを直線にすることができれば、両者は同じ直線軌道を描くはずです。ここで役に立つのが空気抵抗です。
[空気抵抗]:物体が動くときにかかる空気抵抗を調節します。
アリは高いところから落ちても死ぬことはありません。空気抵抗で減速するからです。アリは一定以上の落下速度になることはありません。落下速度が上がれば上がるほど、空気抵抗も大きくなるので(歩くときに肌に当たる風と、車の窓から入ってくる風は後者のほうが強いのです)、結局、落下速度はあるレベルで落ち着くのです。
人間が高いところから落ちて死ぬのは、重力でどんどん加速するからです。もちろん人間にも空気抵抗はかかるのですが、人間の重い体にかかる重力と比べるとずっと弱いので、最終的な落下速度は人間が死ぬ速度より速くなりあまり助けになりません。
このプログラムは空気抵抗があると減速して一定の速度で落ち着くという現象を利用します。一定の速度になるということは、軌道をグラフにすると直線になるということです。するとどうでしょう?重力を逆転した場合も時間を逆転した場合も、同じ直線になり、見分けはつきにくくなります!
もちろん実際には、時間逆転バージョンでは熱を空気中から吸い取っているという違いはあります。空気抵抗があるということは、力学的エネルギーが熱に変わっていってるということですから、その時間逆転は、空気中から熱を吸い取って、物体を重力に逆らって上へ押し上げているということなのです。重力逆転バージョンは周りの空気を(わずかに)温めています。両者には周りを暖めるか冷やすかという違いがあるのです。
しかし、そういう細かい違いを無視して、物体の軌道だけを見れば、重力を逆転した場合と軌道はほぼ同じです!「ほぼ」と言ったのは、落下した直後はまだ重力に引かれて微妙にカーブを描いているからですが、しかしそのカーブは時間とともに急速に消えていき、ほぼ直線になります。落ちている途中の軌道だけ見せられれば、両者を区別するのは極めて困難でしょう!