[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
<シラードのエンジン>のやっていることを、確率の視点から復習します。
永久機関<シラードのエンジン>は、分子のランダムな運動エネルギーを利用して発電します。分子のランダムな運動エネルギーとはすなわち熱なので、<シラードのエンジン>は周りの熱を、人間が利用できる有意義なエネルギーに変換するありがたい存在なのです。もちろん現実には作れません。
<シラードのエンジン>は、空気分子の動きを先読みすることによって、分子に発電ピストンを押させます。発電のためのピストンは、押す方向を間違えるとこれまでにためたエネルギーを逃してしまうため、ちょうどよい方向から分子とピストンを衝突させる必要があるのです。
では、エンジンが故障して、分子の動きを先読みできなかった場合、どうなるか考えましょう。次の図のように、1/2の確率でエネルギーは貯まるものの、1/2の確率でエネルギーは逃げます。よって貯まるエネルギーの期待値は0です。
エネルギーが逃げるパターンと貯まるパターンがちょうど打ち消す合うともいえます。これでは永久機関として役に立ちません!
ではエンジンが正常に動作したらどうなるでしょう?次の図のように、エネルギーは逃げなくなります。確率が歪むからです。
<シラードのエンジン>は、エネルギーが逃げるパターンを0%にします。分子の位置を読み取って、発電装置を適切な方向につなぐのです。これなら分子の運動エネルギーはおもりにどんどんたまっていきます。勝手にエネルギーがたまっていく、まさに永久機関です!
<シラードのエンジン>は、分子の位置を観測し、メモリに記憶しています。メモリに記憶されているのは分子の位置だと解釈することも可能ですが、別の解釈として、発電している時のエンジンの状態を記憶しているいうのも可能です。分子が左にあったら、「分子が左からピストンにぶつかって、左にあるおもりが押し上げられる」という未来をメモリは記憶しているわけです。<シラードのエンジン>はおもりをピストンに適切につなぐことによって、それを現実にします。<シラードのエンジン>は、永久機関になりたいという夢を叶えたのです。