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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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迷信はどうして生まれるのでしょうか?たぶんあやふやな情報を複数の人で言い合っているうちに、なんだか正しいような気がしてくるのでしょう。「なぜそう思うの?」「みんながそう言っているから」と全員が思っているわけです。この種の現象をシミュレートする方法はたくさんあると思いますが、ここではコイン投げとベイズ確率を使ってみましょう。
ここに一枚のコインがあるとします。そのコインは表しか出ないイカサマコインかもしれませんし、裏しか出ないイカサマコインかもしれませんし、イカサマなどまったくない公平なコインかもしれません。または70%表が出るという微妙なイカサマコインかもしれません。ありとあらゆる可能性が混在しているのです。
どれが正しいのか検討するには、実際にそのコインを投げてみればよいのです。もし表が出れば、「裏しか出ない」という可能性は消滅します。表と裏がだいたい同じくらいの数出れば、公平なコインだという確率が高まるでしょう(100%公平だと断言することは出来ません。70%表が出るイカサマコインも偶然表と裏がだいたい同じくらい出ることもあるからです)。これがベイズ推定です。
さてここで、実際にコイン投げする代わりに、架空のコイン投げをしてみましょう。他の人が「多分このコインは表しか出ないイカサマコインだから表が出るよ」と言ったら、あたかも実際に表が出たかのように、自分もコインに関する推測をアップデートするのです。
今回のシミュレーションは、そのような事実に基づかない推測が暴走していくプロセスです。
[表]ボタン:コインの表が出たとして推測をアップデートします。これを何度も押すと、赤い山のピークが右に現れます。
[裏]ボタン:コインの裏が出たとして推測をアップデートします。これを何度も押すと、赤い山のピークが左に現れます。
[先鋭化]ボタン:自分自身の推測に基づいて架空のコイン投げを行い、推測をアップデートします。これを何度も押すと、どこかにピークが現れますが、どこに現れるのかは偶然に左右されます。
このプログラムはコイン投げの結果から、コインがどのようなものかを推定することができます。
表ボタンを10回、裏ボタンを10回押してみましょう。すると、次のように赤い山が尖っていきます。
赤い山はコインの歪みの確率を表します。この図では山のピークは50%当たりのところにあるので、「このコインは50%の確率で表が出る公平なコインだ」という確率が高いのです。ただしもちろん、「49%の確率で表が出るイカサマコイン」である可能性や、「51%の確率で表が出るイカサマコイン」である可能性もあります。だから山の形になっているのです。これがベイズ推定というやつです。
ちなみに、表ボタンを16回、裏ボタンを4回押すと、80%のところにピークが現れます。表や裏の回数によって、ピークの場所が決まるのです。
以上のように、このシミュレーションはコイン投げの結果から、コインが何%で表が出るイカサマコインなのかを推定することが出来ます(もちろん公平なコインである可能性もあります)。しかしその推定がうまくいくのは、現実のコイン投げを推定に使った場合に限ります。次に架空のコイン投げで推測が暴走するケースを見てみましょう。
ではこのページをリロードしてシミュレーションをリセットしてください。そして[先鋭化]ボタンを何度も押してみましょう(何度も押すのが面倒なら、Enterキーを押し続けるという手もあります)。すると、やはり赤い山が尖っていきます。
ここで注意してほしいのは、今回は現実のコイン投げの結果に基づいて計算しているのではなく、自分自身の推測に基づいた架空のコイン投げの結果に基づいて推測をアップデートしているという点です。つまり、ピークがどこに現れるのか全く見当がつきません。
このようなことをすると、無から信念が生まれます。偶然表が70%ほどの割合で出ると、「もしかしたら70%の確率で表が出るイカサマコインかもしれない」となり、「たぶん70%の確率で表が出るイカサマコインだろう」となり、「70%の確率で表が出るイカサマコインに違いない」になるのです。
これは迷信やフェイクニュースが生まれるプロセスに似ています。はじめはあやふやな推測であっても、それが複数の人の口から語られることによって、あたかも真実であるかのように思われることになるのです。