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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

擬似タイムトラベル

量子コンピュータの研究者セス・ロイドは、光をつかってタイムトラベルのシミュレートする実験を行いました。タイムマシンがなくても、タイムトラベルしているかのような現象を現実に起こすことが出来るのです。というわけで、私も自分なりにタイムトラベルしている「かのような」現象について考えてみます。


基本

タイムトラベルとは、過去のある状態と未来のある状態が同じであるということです。次の図では、過去と未来に1という共通した情報があります。1という数字が、時空をループしているわけです。

この図には過去と未来に同じ数字1があります。しかしよく考えてみると、これと同じようなものはタイムトラベルなどしなくても簡単に作れます。単に、紙に2つの1という数字をかけばいいだけのことです。

もちろんインチキです!紙に2つの1という数字を書いて、片方は片方は未来からやってきた情報で、もう片方は未来で過去に送られることになる情報だと言っているのですが、本当はタイムトラベルなど起きていないのです。しかし私が今目指しているのは擬似タイムトラベルであり、もしディズニーランドを倒すためにタイムトラベルランドを作ったとしたらそこにおけるアトラクションとなりうる物なので、これでいいのです。カリブの海賊が本当の海賊行為をしないと言って文句を言う人はあまりいませんからね。

エラー訂正

このやり方でタイムトラベルごっこをしたとしたら、エラー訂正をする必要があります。もし片方の数字が誰かによって変えられたら、それをもとに戻さなければならないのです。過去と未来の情報は同じでなければいけないからです。

エラー訂正は世の中にありふれており、これはタイムトラベルを身近な物の比喩として考えることを可能とします。科学者は精神をてこや歯車で動く機械として考えたり、蒸気機関として考えたり、コンピュータとして考えたりしました。その時代で最も身近な機械として考えたのです。なら私がタイムトラベルを身近なエラー訂正として考えて何が悪いのでしょう?エラー訂正はコンピュータではふんだんに使われており、インターネットにおける通信はもちろん、ネットを使っていない単独のコンピュータでも情報が勝手におかしくならないよう常に使われ続けています。

エラー訂正は一部の物理学者は素粒子も行っていると考えているようですし、もっと身近なところでは私達のDNAだってそれを行っています。

酸っぱいブドウ

ところで、タイムパラドックスを避ける方法はもう一つあります。未来からやってくる情報のほうを変えるのです。

こうすると、「未来から情報がやってきたと思っていたが、実はそれは途中で歪められていたのだ」ということになり、私たちはエラー訂正をする必要がなくなります。それでもタイムパラドックスは回避できるのです。

これは少しばかりSF小説『百光年ダイアリー』の状況と似ています。この物語では未来から情報が送られてくるのですが、それは政治的勝者の綴った歴史であるため、そのように現実の歴史が進行する保証はないわけです。

あるいは、昔話の『酸っぱいブドウ』にも似ているかもしれません。狐はブドウを食べたいと思ったのですが、手に入らなかったので、ブドウなんて欲しくないのだと自分の願望の方を書き換えます。それでも矛盾は生じないのです。願望を持った時生物が取るべき行動は、「1.願望を現実にする」か、「2.願望などもとから持っていなかったことにする」かです。

タイムトラベルをシミュレートするのに必要なのは、過去の2つの情報が同じであり、未来の2つも同じであるという条件です。これはあまりにかんたんな条件であるため、身の回りのありとあらゆるものがタイムトラベルに見える心の病を引き起こしかねません。タイムトラベル版アニミズムというわけです。

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