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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

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熱力学第二法則を応用して全宇宙を支配する

エントロピー増大の法則こと熱力学第二法則は、しばしば「宇宙は時とともに乱雑になっていく(ゆえに我々はいずれ滅ぶ)」という悲観的視点から語られます。しかしこのページでは、実はこの法則は、人類が全宇宙を支配する保証となってくれていることを示します!


確率を変える機械

まず、確率を変える機械について考えましょう。というのも「全宇宙を支配する」というのは、「自分が望んだ出来事が起きる確率を上げる」というのを言い換えたものに過ぎないからです。全宇宙の支配者がベテルギウスを爆発させたいと思ったら、爆発する確率が100%に高まるのです!

ではどのようにすれば確率を変えることができるでしょう?最も根本的な方法は、「自分が望んだ出来事が起きる宇宙の数を増やす」というものです。

確率は宇宙の数で決まる

コイン投げの場合、1/2の確率で表か裏がでるのですが、これは表が出る宇宙の数と裏が出る宇宙の数が等しいということだと解釈できます。一方、もし表が出る宇宙の数が1で、裏が2なら、表が出る確率は1/3となるでしょう。

宇宙の数を増やすには?

問題は、どうやって宇宙の数を変えるのかということです。実はこれは簡単で、コインにおもりを仕込めば実現できます。イカサマコインを作るのです。

このイカサマコインは表の状態だとおもりにエネルギーを溜め込み、裏だと空気中に熱としてエネルギーを開放します。空気分子たちは様々な方法でエネルギーを溜め込みますから、宇宙の数が増えたのと同じです。

「宇宙の数を増やす」というとなにか突拍子もない事をしているように思えるかもしれませんが、実際にはコインにおもりを仕掛けているだけなのです。

宇宙のエントロピーの増大を利用して目的を達成する

以上のイカサマコイン法は、宇宙のエントロピーが増大する傾向を利用しています。

しかしその前に、エントロピーとは何だったか復習しましょう。エントロピーとは場合の数が多ければ多いほどおおきくなる量です。わたしたちが「乱雑だ」とみなす状態は、「秩序だった」状態よりはるかに多いので、乱雑な物体のエントロピーは秩序だった物体のより大きいわけです。前述のイカサマコインでは、おもりを付けることによってうらが出る状態のエントロピーは大きくなっているのです。

これから何が言えるでしょう?簡単なことです!自分が実現したい状態の宇宙のエントロピーを上げれば、エントロピー増大の法則によって、自動的にそれは実現するのです!

エントロピー増大の法則を、「避けられない滅びの運命」みたいに考えるのはあまりに退屈です!宇宙にはエントロピーが増えるという法則があるので、自分にとって都合のいい出来事を高エントロピーの宇宙に関連付け、都合の悪い出来事を低エントロピーに関連付ければ、宇宙はわたしたちにとって都合のいいことしか起こさなくなるのです!全宇宙の支配が可能になるのです!!

すでにありふれている

実のところ、この方法はわたしたちの身の回りのほとんどあらゆるところで使われています。ガソリンを燃やして車を動かすというのは、ガソリンを燃やすと熱が生じ宇宙のエントロピーが上がるので、それを利用してタイヤが回る確率を増やしているということです。エネルギー源無しで車輪がついただけの機械がわたしたちを目的地まで連れて行ってくれる確率は0に等しいですからね。わたしたちが車の排気ガスの温かみを感じている時、「ああ、この車は宇宙の数を増やしているんだな」と思うべきなのです。

もちろんこれはガソリン車に限った話ではなく、排熱をするすべての機械に言えます。蒸気機関はもちろん、電気で動く機械もそうです。そしてもちろん、すべての生命についてこれが言えます。わたしたちは食事をしますが、それは宇宙を汚すためにエネルギーを取り入れているからです。エネルギー自体は実のところあまり重要ではなく、宇宙のエントロピーを上昇させることが重要なのです。標準的なダーウィン主義によると生命は子孫の数を増やすわけですから、「子孫の数が増える」確率を上げるために、宇宙のエントロピーを上昇させる必要があり、そのために宇宙の汚染源であるエネルギーをエサから摂取しているとみなすべきでしょう。

ここまでの話で、私は宇宙を汚染することをすこし正当化しすぎてしまったきらいがあります。汚染の仕方も重要なのです。ガソリンタンクに火をつけても、車が連れて行ってくれるのは目的地ではありません(自殺したかったのなら話は別ですが)。宇宙のエントロピーの増加と、自分の目的の達成を上手くつなぐ必要があります。「燃費のいい」車というのはそのためにあります。「燃費のいい」車はそうでない車に対して、宇宙の汚染が少なくてすむわけです。目的を達成するのに宇宙の汚染は避けられませんが、テクノロジーの進歩によってその汚染を少なくすることはできるというわけです。エコロジーです!

まとめ

宇宙のエントロピーは増大しますが、それは逆手に取ることが可能です。自分にとって都合のいい出来事を宇宙のエントロピー増大と関連付け、都合の悪い出来事は減少と関連付ければ、自分にとって都合のいい出来事しか起きなくなります。これを宇宙全体について行えば、全宇宙の支配が可能となるのです!

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