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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

第二種永久機関が本当に必要とするのは気体分子の位置ではなく、未来の衝突の方向

冗談なのであまり真剣に読まないで下さい。このページでは、第二種永久機関を動作させるのに必要な情報は、気体分子の位置ではなく、本当は未来の衝突の方向であることを示します。<シラードのエンジン>が気体分子の位置を調べるのは、あくまで未来にどの方向から衝突するかを知るためなのです。


第二種永久機関の仕組み

復習しましょう。第二種永久機関とは、熱を周りから吸い取り、それを人の支えるエネルギー――たとえば電力――に変換する機械です(もちろん実在しません)。普通の発電機は発電する時ガソリンを燃やさなければいけませんが、第二種永久機関は燃料を必要とせず、代わりに周りの空気を少し冷やします。なのでエネルギー保存の法則は守っています。電力を生み出せるなら周りの温度がちょっとくらい冷えても問題ありません。というのも、その電力を使えば、電化製品からの排熱としてまた同じ量の熱に戻るからで、使いすぎて氷河期になる心配はないのです。

第二種永久機関は、気体分子の位置を知ることによって動作します。気体分子の位置がわかっていれば、その気体分子にピストンを押させ、発電することが可能だからです。これはいわば相手の動きを利用する格闘技のようなもので、相手の動きを知っていれば、それを自分のために使うことが出来るのです。

第二種永久機関は、空気分子が左からぶつかってくるのなら左からの衝撃をエネルギーに変えるように変形し、右からぶつかってくるなら右からの衝撃をエネルギーに変えるように変形します。予測ミスをすれば今までためたエネルギーが逃げる罰が待ち構えています。

ほんとうに必要なのは未来の衝突の情報

しかし、この話は少しおかしい気がします。というのも、未来にどういう衝突が起きるかという情報こそが、発電に必要だからです。この装置は相手の動きに先回りして発電する仕組みなので、本当に知りたいのは未来の情報であり、現在の情報はあくまで未来を予測するために必要なだけです。

じっさい、分子が左にあるからといって左から衝突するとは限りません。量子力学的なテレポーテーションしていきなり右から衝突する可能性だって無いとも限らないではありませんか!

それに、装置が次のような仕掛けだったとしたら、分子が右にあるのか左にあるのか知っても意味がありません。

これは第二種永久機関の一種、<シラードのエンジン>のピストンを90°回転させたものです。実際の<シラードのエンジン>のピストンは左右に動きますが、この変形バージョンでは上下に動く仕掛けになってしまったとします。そうすると、気体分子が左右の部屋どちらにあるのか知っても発電には何の役にもたちません。(本来の<シラードのエンジン>は分子の位置からおもりと糸をピストンのどちら側につけるのか決めることによって、常に衝突によっておもりが上がる仕掛けになっています)

なぜなら、<シラードのエンジン>にとって本当に必要なのは、分子がピストンのどちら側から当たるかであって、位置なんて本当はどうでもいいからです。たしかに<シラードのエンジン>は位置を計測しますが、それはあくまで、未来の衝突を知りたかったからなのです。第二種永久機関に必要なのは、現在の情報ではなく、未来の情報なのです。

たとえ話

これはある意味、周波数のわかっていない音と無理やり共鳴するようなものです。ふつう、ある音と共鳴するのは、音と固有振動数があっている物体だけですが、もし音が次にどのような周波数になるのかわかっていれば、装置の方を無理やり変形させて共鳴を引き起こすことが出来るはずです。

実際、自動的に周波数を合わせるラジオは電波を使ってこういうことをしているのだと思います(詳しくは知りません。ここに書いてあるのは憶測です)。適当に色々な周波数をテストして、ラジオの回路が共鳴したなら、そこにはラジオ番組があると言っていいでしょう。ラジオ番組は途中で勝手に自分の周波数を変えたりはしないので、一度捕まえてしまえば未来の周波数を予測しやすいというわけです。

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