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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

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自分の存在確率を上げる

しばしば、「人間の体は物質でできているのだから十分に長い時間をかければ遠い未来に自分と全く同じ物質のパターンが復活する」と言われます。ではこれは死んでも復活するので自殺しても問題ないということなのでしょうか?ここでは、そうではないかもしれないということを述べます。自分の存在意義は、未来における自分の存在確率を偶然以上のものに上げることであり、自殺した後の復活を当てにすると、それができなくなってしまうかもしれないからです。


猿のタイプライターによる復活

人間の体は原子でできており、原子はランダムな運動を繰り返すものなので、十分に長い時間をかければ、死んだとしても猿のタイプライター方式で未来に復活するはずです。
悪い復活

ではこれは、今すぐ自殺しても問題ないということなのでしょうか?多分違います!私の考えでは、生物は未来の自分の存在確率を上げるのが目的であり、このような偶然による復活だよりではそれができなくなってしまうからです。

自分の存在確率を偶然以上のものにする

偶然による復活をあてにすべきではないという話をする前に、良い復活について述べておきましょう。「心臓が止まったとき、電気ショックを与えて蘇らせる」機械を作るというのは良い復活です。というのも、そのような機械を作ることによって、未来の自分の存在確率が上がるからです。


良い復活 悪い復活より自分の存在確率が高い

しかしすでに述べたような、偶然任せの復活は「悪い復活」です。というのも、現在の自分の行動が未来の自分の存在確率に影響しないからです。

ではなぜ未来の存在確率がそんなに大切なのでしょうか?それは、偶然任せの復活を当てにした人よりも、自分で自分の存在確率を上げる人のほうが存在確率が高く、私達が目にする事が多いからです。気軽に自殺するような生物は、定義から言って、ほとんど目にすることはなく、無視しても問題ありません。

偶然任せの復活をする物質のパターンを生物とみなしてよいのなら、コイン投げの結果だって生物とみなせてしまいます。私達は生物を、ダーウィン流自然淘汰式の、「歪められた偶然」と見なす必要があるのです。

多宇宙または時間ダーウィニズム

以前も述べましたが、「自分の存在確率を上げる」というのは多世界解釈におけるダーウィニズムとみなせます。通常のダーウィニズムは一つの宇宙の中で子孫の数を増やすことに関するものですが、「自分の存在確率を上げる」というのは、「自分が存在する宇宙の数を増やす」ということでもあります。

あるいは、「一つの宇宙の中で自分が存在する時間を増やす」と言いかえることも出来ます。上の2つの復活の図を見比べてみてください。「良い復活」の方が生きている自分の数が多いことがわかるでしょう。これはつまり、「良い復活」派の方が子孫が多いということです。こちらは、時間を視野に入れたダーウィニズムと言えるでしょう。

哲学者ダニエル・C・デネットが言うように、ダーウィニズムはすべての謎を解き明かす万能酸です。ここでは、自殺は必ずしも良いことではないかもしれないということが理解できたのです!

川は生きている

では以上の議論を応用して、川が自然淘汰によって進化する生命体であることを証明しましょう。地面の上を水が流れると、土が削られ、そこを次の水が通りやすくなります。つまり、ある水の流れが、同じような水の流れが起きる確率を大きくするのです。

もし多宇宙を眺める超越者の視点を持っていれば、ある水の流れを持つ宇宙が自己複製している様子が見えるでしょう。ここでは、「川の流れの予測しやすさ」が子孫の数に影響を与えているとみなせます(というのも、川の流れが予測しやすいというのは言い換えると、水の分子がいつも同じような動きをするということだからです)。生まれたばかりの川は、水分子がいろんな地形の上を這い回り予測しにくいですが、ときとともに土は削られ流れがスムーズになり、予測しやすくなります。川は自然淘汰によって、スムーズな流れに進化するのです。

まとめ

未来の自分の存在確率を上げるものは、多世界解釈の観点からするとダーウィン流進化をしているとみなせます。これはつまり、川はいつも同じような水の流れをしているので、自然淘汰によって進化した生命体だということです。

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