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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

タイムトラベル・セルオートマトン・シミュレーション(ルール110)

ここで述べた方法を使って、ルール110セルオートマトンのシミュレーションにタイムトラベル要素を追加します。


タイムトラベル付きルール110


操作方法

スタートボタン:シミュレーションをスタートまたは一時停止します。

キャンバスをクリック:一番上のオレンジ色に光っているセル(マウスで位置を変えれます)の状態を■なら□に、□なら■に切り替えます。

キャンバスを右クリック:一番上のオレンジ色に光っているセル(マウスで位置を変えれます)の状態を■なら□に、□なら■に切り替えます。ただし、ただ切り替えるのではなくこの変化を未来から情報がやってきた結果だとみなします。つまり、未来にこの切り替わりをもたらせるセルが誕生したら、それを次の状態のアップデートには使わずに、代わりに過去の切り替わりの直前のセルの状態を使って次の状態をアップデートします。過去へのタイムトラベルと過去からのタイムトラベルです。

解説

これは以前示した方法を使って、ルール110にタイムトラベル要素を追加したシミュレーションです。

未来からのタイムトラベル

キャンバスを右クリックすると未来のセルから情報がやってきてセルの状態が変わります(わかりやすいように紫っぽく表示しています)。

一見、タイムトラベルするなら未来をシミュレートする前に過去をシミュレートすることなど出来ないように思えます。ところが実は可能なのです。ここでは以前述べたように発想を逆転させ、「未来からのタイムトラベル」ではなく「過去へのタイムトラベル」にトリックがあります。「未来からのタイムトラベル」は単にセルの状態を反転させているだけなのですが、過去の「未来からのタイムトラベル」を実現できる状態になったときに、現在のセルの状態をうまく変えて、過去へタイムトラベルしたかのように見せかけているのです。

これはカードゲームMagic: the gatheringのタイムシフトに似ています。あるとき未来からやってきたカードというのが発売されたのですが、もちろん販売会社はタイムマシンなど持っていないわけで、これは単に後でそういうカードを発売することによって未来からやってきたのと同じことになるのです。今回のシミュレーションもそれと同じで、セルの反転自体は普通なのですが、後でつじつま合わせをすることによって未来からやってきたのと同じことになるのです。

いつからやってくるのか?

セルの状況によって、どのくらい未来からやってくるのかは変わります。次の図のように、有限の未来からやって来ることもありますが、無限の未来からやって来ることもあります。

0ステップ未来からやってくる(セルの原因はそのセル自身)

1ステップ未来からやってくる

2ステップ未来からやってくる

無限の未来からやってくる

どうしてタイムトラベルループの長さに違いがあるのでしょう?それはつじつま合わせの難しさによります。未来から情報がやってきたとき、その時代の知識で再現可能なら次の日からやってきてもおかしくないでしょう。しかし100年後の超科学がなければ再現不可能なら100年後にまでループは伸びるでしょう。そして、この宇宙の住人にはどうやってもこれを作れるはずがないというようなとんでもない情報は、無限の未来からやってくるというわけです。

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