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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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ランダムウォークの時間逆転とタイムトラベルはプログラムがとても似ていて、計算に使う式は同じです。なぜでしょう?それは両者とも過去と未来が現在に影響を与えるからです。
ランダムウォークとは、ランダムに左に行くか右に行くか決める動きのことです。ランダムなので、上の図のようにどんどん可能性が増えていきます。
ではランダムウォークの時間逆転とタイムトラベルはどのようなものになるでしょう?それぞれ図にするとこうなります:
A→B→Cというランダムウォークがあったら、その時間逆転バージョンはC→B→Aで、タイムトラベルバージョンはA→B→C(Cの情報はAの時代へ行く)です。(今は図がややこしくならないようにA→B→Cという経路のみについて考えていますが、他の経路も考え方は同じです。)
おもしろいことに、両者とも現在地からBへ行く確率は同じで、1です。(現在地からはBかB'に行くのですが、B'の方は図から省略されています。)
時間逆転バージョンではAがスタートなので、すべてのランダムウォークは――大当たりのスロットマシーンからコインがこぼれ落ちる動画を逆再生したときのように――Aに吸い込まれなければいけません。対してタイムトラベルバージョンでは、未来にCに行くことが運命づけられていて、Cに吸い込まれなければいけません。よって、両者とも必ずBに行かなくてはいけないのです。B'に寄り道しているヒマはありません。
このケースに限らず、Bへ行く確率はどのような場合でも両者同じです。なぜでしょう?それは、時間逆転もタイムトラベルも、「現在が未来と過去両方によって決定される」からです。通常のランダムウォークでは現在は過去に影響されますが、時間逆転やタイムトラベルでは、現在は未来にも影響されるのです。
Bに行く確率の式は両者ともP(B | A, C)です。これは、「AでありCでもあるときに、Bである確率」です。これは時間逆転でもあり、タイムトラベルでもあります。
ちなみに、通常のランダムウォークでBに行く確率はP(B | A)です。これは「AであるときにBである確率」です。通常のランダムウォークは過去(A)しか現代(B)に影響を与えません。しかし時間が逆転したりタイムトラベルしたりすると、Aだけでなく未来(C)もBに影響をあたえるのです。