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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

期限が決められていないゴール

締切が決められていないとやる気が出ない人は多いですが、時間逆転現象も、開始時間がわかっていないと逆再生動画特有の不思議な現象が起きなくなることがあります(起きることもあります)。時間逆転ランダムウォークは、開始時間に関する情報がないと、割れた花瓶が元通りになるような奇妙な確率の歪みは起きませんが、時間逆転した川はきちんと重力に逆らって山を登ります。この違いはどこから来るのでしょう?


締切がわからない

時間逆転ランダムウォークは、割れた花瓶が元通りになるような、不思議な動きをします。しかし、いつその現象が起きるのか設定されていないと、何時までたっても奇跡を引き起こしません。というのも、奇跡が起きるのは1億年後かもしれませんし、1兆年後かもしれないからです。数学的にはどのような可能性もあるので、締切の平均を考えると、今すぐ奇跡を引き起こす必要はないのです。開始時刻がわかっていなかったら、普通のランダムウォークと見分けがつかなくなります。

いっぽう、締切の情報がないにも関わらず逆再生する前とはっきりと違いが分かる現象もあります。それは川の流れです。川の水分子はいつ雨から川の一部になったのかわかりませんが、それでも確実に時間逆転川は海から山へ登ることがわかります。

締切は不完全ながら分かる

実際には、不完全ながらいつ水分子が上流から流れてきたのかはわかります。たとえば、川でくんだ水のなかに、一億年前に上流をスタートした水分子は、おそらく含まれていないでしょう。含まれていたとしてもその割合は無視できるほど小さいでしょう。たぶん、出発したのは数日前か、長くても数ヶ月前程度ではないでしょうか?つまり川の場合は、ランダムウォークの場合と違って、ある程度スタートした時間に見当がつくのです。

流れが逆になる

しかしこれは真の理由ではありません。もし、その川が惑星を一周する超巨大な用水路のようなものだったとしたらどうでしょう?一体誰が何の目的でそんなものをつくったのかはさておき、その場合は水分子のスタート地点などどこにもないことになります。惑星を何度も周回するだけだからです。しかしその場合も時間逆転すると逆転前と違いがわかります。時間逆転すると、水が魔法のように逆流して、水力発電するのです。

つまり、ランダムウォークと川の違いは、単純に流れがあるかどうかだったのです。ランダムウォークは左右どちらかに1/2の確率で行くため、公平といえます。しかしそのため時間逆転しても平均的な位置は変わらず、動画の視聴者が時間逆転に気付けないかもしれません。いっぽう川なら、流れが逆になるといいうとてもわかりやすい時間逆転の証が現れるのです。

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