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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

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ヒゲでこし取る

クジラはヒゲで海水からプランクトンだけをこし取るそうです。プランクトンはヒゲに引っかかるのですが、海水はヒゲを通り抜けてしまうのです。かんたんな理屈でこれ以上言うことはないように思えますが、別の角度から考えてみましょう。


ポテンシャルエネルギー

クジラがプランクトンをヒゲでこし取る行動を、ポテンシャルエネルギーの観点から見てみましょう。いま、クジラが周りからプランクトン入りの海水を口に取り込んだとします。ここから海水だけを外に吐き出す必要があります(プランクトンは残さなければいけません)。これは海水にとってのポテンシャルエネルギーの形と、プランクトンにとってのポテンシャルエネルギーの形が違うという事実によってかんたんに達成できます。

プランクトンにとってクジラのヒゲは立派なポテンシャルの障壁です。乗り越えて外に出ることはできません。しかし海水の分子にとってはヒゲは穴だらけの障壁です――というより障壁という表現はふさわしくないでしょう。かんたんに外に出ることができるわけです。

物体によって、周りの世界のもつポテンシャルエネルギーの地形は異なります。ある物体にとって壁でもなんでもないものが、別の物体にとって大きな壁となりうるわけです。クジラはこれをうまく利用し、周りの環境からうまくプランクトンだけを集めているわけです。これから集めたいものにとって大きな障壁となるものを用意できれば、それを使って目的のものだけを集めることができるでしょう。

少し似ている現象に、磁石で鉄とアルミ缶を分別するという方法があります。鉄だけが磁石に吸い寄せられるわけです。ただしこれは、障壁を作るのではなく、穴をつくっているという点が違います(どのみち地形の傾きが吸い寄せる力の源なので同じことですが)。鉄にとって磁石のある周辺はアリジゴクの巣のようなポテンシャルの穴が開いてるので吸い寄せられますが、アルミにとって磁石のある周辺は平坦なので動かないのです。

教訓

何かを集めたい時は、それ専用のポテンシャルの障壁になったり穴になったりするものを用意しましょう。障壁で周りを囲えばそれだけが手に入りますし、穴を用意すれば勝手に飛び込んできます。

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