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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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SF小説<直交>三部作では、昔の現実の宇宙論とおなじように、時間が繰り返します。つまり、とても長い時間が経つと時間が逆転し過去に戻り、そこからまた同じ歴史を繰り返します。ここではリーマン・スカラー波を使ってその様子をシミュレートします。波が広がり、集まり、また広がるのです。
これは同じ歴史を繰り返すリーマン・スカラー波のシミュレーションです。スタートボタンを押すとシミュレーションが始まります。はじめは中央に一つ高い山がありますが、それが崩れていきます。しかしそのうち時間が逆転し、再び中央に高い山ができます。そしてそれが再び崩れ……同じサイクルを永遠に続けるのです!
このシミュレーションのしくみを説明します。時間が逆転するといっても特別なことをしているわけではありません。時間が逆転しているときもそうでないときも同じ法則で動いています。ではなぜ途中から時間の流れが変わっているかと言うと、最初からそうなるようにしくんだからです。
私達の日常生活で時間が逆転することはまずありえませんが、それは確率がとても小さいというだけであって絶対にありえないわけではありません。トランプを適当にシャッフルして買ったばかりのきれいな並びに戻る確率は0ではないのです。もしあなたがシャッフルする人のシャッフルの癖を完璧に知っていれば、きれいな並びになるように逆算して最初のカードの並びを調整することも可能でしょう。シャッフルする人に催眠術をかけてトランプをきれいに並べさせる必要はありません。このシミュレーションではそれと似たことを波でやっているわけです。
波でやるべきことはトランプ以上にかんたんです。じっさい図を見れば10歳の子供でも一目瞭然でしょう。スタート地点とゴールに山が来る波を描きます(下の図の薄い直線は波の山を表します。私がここで言っているのはスタートとゴールのマークを直線が通るように作図せよということです)。
スタートとゴールを通る波をもっと追加します。同じ波を足しても意味がない(シミュレーションを実行した時単純な振動になっておもしろくない)ので、今度はちょっと傾けます。
スタートとゴールを通る波をもっともっと追加します。
これで完成です。美しい図です!
この図を見れば、過去と未来が交互に来ることが一目瞭然です。この美しい円(過去)はタテに無限に積み重なっています。一時的に波が崩れても、またこの美しいパターンは現れるのです。歴史が繰り返すことが視覚的に理解できましたね!
上の図は実はわかりやすくするため波の数を少なくした簡易バージョンです。本当は今回のシミュレーションは図にすると次のようになります。ごちゃごちゃしていますが、本質は同じです。スタートとゴールですべての種類の波が交差し、同じパターンがたてに無限に繰り返されるのです。
半分冗談ですが、これは民主主義に似ています。一つの波でゴールを決めるのではなく、たくさんの波の線の交点でゴールが決まるのです。もし、平行線をたどる2つの波しかなかったら、ゴールは現れないでしょう。物理現象を擬人化した表現はたくさんありますから(「光は最短時間ルートを通ろうとする」)、これもその一つとして考えることができそうです。