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通常のランダムウォークの変形版としての時間逆転ランダムウォーク

時間逆転ランダムウォークは、拡散する通常のランダムウォークとは逆に一点に集中するため確率が歪んでおり、一見根本的に性質が異なっているようにも見えますが、その確率の式は普通のランダムウォークの確率を少し補正しただけとみなすこともできます。


確率の比較

通常のランダムウォークと時間逆転ランダムウォークの式を比較してみます。

通常のランダムウォーク

通常のランダムウォークが左に行く確率は、常に1/2です。

左に行く確率と右に行く確率は等しいのです。常に平等な2択です。

時間逆転ランダムウォーク

時間逆転ランダムウォークの確率は歪んでいます。時間逆転したランダムウォークのスタートに向かって集中するからです。時間逆転したスタートがわたしたちから見るとゴールに見えるのです。

必ず目的地に集中しなければいけないので、ゴールが右にあったら左に行く確率は小さくなります。(逆にゴールが左にあったら左に行く確率は大きくなります)

この確率を計算する式は次のようになります:

ご覧ください!一目瞭然です!緑色の部分は通常のランダムウォークの確率で、紫色の部分はそれを時間逆転ランダムウォークにする補正です。通常のランダムウォークの確率を元にして、それをちょっといじっただけともみなせます。

そしてその補正の内容はとても理解しやすいものです!ゴールまでの時間が長ければ長いほど補正は小さくなり、ゴールまでの距離が長ければ長いほど補正は大きくなるのです。これはちょうど締切までの時間が長ければ長いほどゆったりしていられ、締切までにしなければいけない仕事の量が多ければ多いほど必死にならなければならないということと同じ理由によるものです。分母が大きければ小さくなり、分子が大きければ大きくなる――小学校レベルの数学です!

まとめ

時間逆転ランダムウォークは通常のランダムウォークの確率を歪ませたものと解釈することができます。時間逆転ランダムウォークの確率はゴールまでの時間が長ければ長いほど歪みが少なく、ゴールまでの距離が長ければ長いほど歪みが大きくなります。これは普段の生活からも直感的に理解できます。

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