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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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電子はよく原子核の周りを惑星のように回っているように描かれますが、実際には雲のようにまとわりついている描写のほうが正確です。ここでは、この電子雲がどのような形をしているのかを解説します。
前回、ド・ブロイによる電子は粒ではなく波だという考えを紹介しましたが、波の形が正確ではありませんでした。波というのはぼやけるものなのに、まだきちんと特定の軌道にとどまっていたからです。ここではよりキチンと、シュレディンガー方程式によって計算されるぼやけた波を描きます。
マウスのホイールを回す:カメラを前後に移動する。
マウスをドラッグする:カメラを回転する。
マウスを右ドラッグする:カメラを平行移動する。
マウスで元素をクリックする:3Dキャンバスで表示する電子の持ち主を設定します。
[←]キー、[→]キー:3Dキャンバスで表示する電子の持ち主を設定します。
マウスで電子をクリックする:3Dキャンバスで表示する電子を設定します。
[←]キー、[→]キー:3Dキャンバスで表示する電子を設定します。
原子番号:3Dキャンバスで表示する電子の持ち主を設定します。周期表キャンバスで同じことができます。
主量子数:3Dキャンバスで表示する電子を設定します。原子キャンバスで同じことができます。
方位量子数:3Dキャンバスで表示する電子を設定します。原子キャンバスで同じことができます。
磁気量子数:3Dキャンバスで表示する電子を設定します。原子キャンバスで同じことができます。
このビューアーでわかる現象をいくつか解説しましょう。
電子雲がクリスマスツリーのようにカラフルなことに気がついたかもしれません。一見そうは見えないかもしれませんが、これは実は波を表しています。以前の波の表し方との対応はこうです:
上が以前の表示方法、下が今回の表示方法です。表示の仕方が違うだけで、全く同じものを表しています。下の赤い箇所は波の山、青緑あたりは波の谷を表しています。色の変化は波の移動を意味します。たくさん点が表示されているのは、波の強い場所(つまり、存在確率の大きい)です。電子が存在する確率の高い場所ほど、たくさん点が表示されるのです。
どうしてこんなややこしい表示の仕方をするのかというと、今回のシミュレーションが3次元だからです。上の表示方法では、1次元空間の波を表示するのに3次元も使ってしまいます。なんとかして3次元で3次元の波を表示するのが今回の表示方法なのです。ややこしい代わりにきれいなのでよしとしてください!
高校の教科書では、各電子はぶつかっていないように描かれますが、電子雲は容赦なく重なります。ここで思い出していただきたいのは、電子雲の濃さは観測した時そこに電子が発見される確率を表しているという点です。電子雲が重なっていたからといって、観測される電子まで重なっていると考える必要はないわけです。
この画像は、水素(原子番号1)と炭素(原子番号6)の同じ種類の電子雲を表しています。高校の教科書風の模式図では同じ位置に描かれているのですが、実際にはだいぶ大きさが違います。炭素のほうが電子を吸い込む力が強いからです。これは炭素に限った話ではなく、原子番号が大きいものすべてに渡って通用する法則です。原子番号が大きいとは、電子を引きつける陽子が多いということなので、それだけ原子核付近に電子雲が集中するのです。
ただし、これは原子番号が大きいほど原子は小さいという意味ではありません。炭素の場合、この電子の外側に別の電子雲があり、それは内部の電子雲より外側に濃く広がっています。水素(原子番号1)とナトリウム(原子番号11)の場合、一番外側の電子は次のようにナトリウムのほうが広く広がっているのです。原子はたくさんの電子を持っており、大きさを比較したいと思ったら一番外側の電子雲を考える必要があります。