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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

バネとおもりのエネルギー復習

基本確認です。おもりのついたバネは空気抵抗がない限り、永遠に振動し続けます。これはエネルギーの観点から見ると、バネのエネルギーとおもりの運動エネルギーが交換されている現象です。この2つのエネルギーを図で見てみましょう。


ポテンシャルと運動エネルギー

おもりの質量:
バネの強さ:

操作方法

おもりの質量:おもりの質量を変更します。

バネの強さ:バネの強さを変更します。

解説

このプログラムは、振動するおもり付きバネのエネルギーを表示します。エネルギーは茶色の地形の形で表示されており、上のおわん型の地形はバネによるエネルギーで、下の地形はおもりによるエネルギーです。水色の玉は現在のおもりの位置を表します。

ポテンシャルエネルギー

バネによるエネルギーがおわん型になっています――中央のエネルギーは低く、左右のエネルギーは高いのです。これは、バネは伸びすぎたり縮みすぎたりしている状態にこそエネルギーが貯められているからです。バネを通常の状態から縮めるのには力が必要ですからね。通常の状態にはエネルギーがなく、それを歪めると(伸ばす方向にせよ縮める方向にせよ)、エネルギーが溜まるのです。それがおわん型の理由です。

運動エネルギー

いっぽう、おもりのエネルギーは山型をしています。中心のエネルギーは高いですが、左右のエネルギーは低くなっています。これは、おもりの移動速度は中心を通る時が一番速いからです(物体の運動エネルギーは、速度が早いほど大きくなります。ドッジボールの玉は速いほうが当たると痛いものです。あなたは最高速度で動いている新幹線には触れたくないかもしれませんが、停止している新幹線に触れるのは嫌ではないでしょう)。バネが伸び切った時は縮みきった時は、おもりは速度0になるので、エネルギーも0となるわけです。これが山型の理由です。

エネルギー保存

観察力のある人は、バネによるエネルギーとおもりによるエネルギーは、上下をひっくり返すとパズルのピースのようにピッタリ合いそうだということに気づいたかもしれません。そう!これこそがエネルギー保存の法則なのです。バネとおもりは振動するたびにお互いの間でエネルギーを交換します。つまり、エネルギーの総量は変わりません。よって、両者のエネルギー地形をくっつけると、きっちりハマるわけです。

振動の幅

このエネルギー地形は、おもりが振動する幅も説明してくれます。おもりの運動エネルギーの図に注目して下さい。両端の、エネルギーがゼロになっている点の間で水色の玉が行ったり来たりしています。つまり、運動エネルギーが0になったら、バネに引っ張られて、反対側の点まで移動するのです。このシミュレーションではできませんが、もし外部から思い切り重りを揺さぶってやれば、運動エネルギーの山は裾野が広がり、振動の幅も大きくなるでしょう。

おもりが運動エネルギーを使い切ってしまうと、それ以上バネを伸ばしたり縮めたりができなくなり、逆方向に移動するようになります。ちょうどボールを空に向かって投げても重力に負けて落ちてくるようなものです。おもりの振動の幅は、運動エネルギーの地形を見れば分かります。山の裾野を行ったり来たりする運動がおもりの振動なのです。

山を登る

このシミュレーションを観察すると、水色の玉がポテンシャルエネルギーの山を登っていることに気づきます。普通なら、ポテンシャルエネルギーの山は下ることしかできないのですが、物体に運動の勢いがあれば話は別です。ジェットコースターのように、下るときの運動の勢いで、登ることだって出来るのです。

これは、運動エネルギーを(登山ケーブルカー乗車券のように)消費すれば、ポテンシャルエネルギーの山を登れるということを意味しています(逆も真で、ポテンシャルエネルギーを消費すれば、運動エネルギーの山を登れます)。山を登るということは本来ありえませんが、どこかの別の山を下れば、それだけ山を登れるのです。これが、最初の言葉――バネのエネルギーとおもりの運動エネルギーが交換されている――の意味です。2つの山の間で上ったり下がったりを繰り返すのが振動なのです。

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