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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

レンズでタイムパラドックスを回避する

レンズや回折格子は、光子がある特定の場所で見つかる確率を上げます。これを利用すれば、未来からその場所で光子が観測されたというメッセージが来た時、タイムパラドックスを回避するのに利用できるでしょう。


動機

スターウォーズでは宇宙が舞台であっても音がします。これはたぶん、観客の多くは爆発が起きたときに音がないと居心地悪い感じがするからでしょう。観客を引き込むためには、間違っていたとしても、観客の思い込みに沿ったものを用意しなくてはいけないときがあるのです。

このページのアイデアもそれと同じで、タイムパラドックスを解くおもしろ動画を作成したとき人気動画となるためには、視聴者の先入観と合致したパラドックス解消方法を用意してやるべきだ、というものです。つまり、タイムパラドックスを避けるためには、量子論的奇跡などという常人の感覚にはなじまないものを使うのではなく、レンズや回折格子(あるいはCD)のような、ありふれた身近なものを使うべきなのです。

もちろん、レンズがタイムパラドックスを都合よく回避できるような場所にある奇跡は、光子一個に起きる奇跡より遥かに大きいはずなので(なにしろレンズを構成する素粒子はとてつもない数で、それら全てに影響する奇跡でなければいけないのです)、学問的には完全にナンセンスなことをやっています。しかし視聴回数を稼ぐにはやむを得ないウソなのです!

※この考え方には問題があることは承知しています。観客が宇宙空間で音がしないことに不平を言うのは、そもそも宇宙で音を出す映画が多いからかもしれません。映像のつくり手が余計な気を利かせてそういうものをたくさん作るからこそ、観客の宇宙に対する偏見が強化されているのでしょう。というわけで、宇宙で音を出すというのは悪しき因習としか思えないのです。遠い未来、一般人が宇宙に行くのが普通になれば、観客の感覚も矯正され、宇宙では音がしない映画が一般的となるでしょう。しかしそれまでは、大衆に迎合しなければ映画がヒットしなかった時の言い訳が難しくなるに違いないのです。

レンズで確率を歪める

レンズは光子の存在確率を歪めます。レンズがない時、光子がある点に行く確率は周りとだいたい同じですが、光子の前にレンズを置くと光子がレンズの光の集められる場所に行く確率がぐんと上がります。これを利用してタイムパラドックスを解きます。タイムパラドックスは未来からのメッセージで指定された場所に光子がいかなかったときに起きるので、レンズによってイカサマ的に光子をそこへ送ってやるのです。

光子の図を書きます。レンズがない場合、光子はまっすぐな経路のみが残り、行き先の可能性は複数あります。

いっぽう、レンズを挟めば行き先は1つに決まります。

※上の2つの図には、曲がりくねったオレンジの線がたくさん書いてありますが、それらは全て打ち消しあいます。残るのは太い直線だけです。

レンズがない場合は3つの行き先に可能性がありました。経路の矢印をつなげてつくった正方形の面積が、どの行き先もそれなりにあったのです。

しかしレンズを挟めば、真ん中の行き先◎の正方形の面積だけが大きくなります。つまり光子は次にそこへ行く確率がとても高くなるのです。これは、未来に光子はそこにあるということがタイムマシンによってわかっているときにとても役に立ちます。タイムパラドックスを引き起こしかねない経路は打ち消し合い、まっとうな未来のみが生き残るのです。

メタファーによる理解

タイムパラドックスを回避するには、実現すべき未来で、皆の歩調が合うようにすればいいのです。光は歩調が合うような未来を実現します。ということは、実現してほしくない未来では歩調が乱れるようにし、実現して欲しい未来では、なるべくたくさんの歩調がそろうようにすればいいのです。

今回は、遅い方に合わせました。ほっとくと周りより早く到着する経路はレンズで光を遅くして(光はガラス中で遅くなる)、遅い経路に到着時刻を合わせたのです。こうすれば、目的地に行く経路の多くが、足並みがそろいます。ある種の運動会と同じように、皆が手を繋いで同時にゴールする未来のみが生き残るのです。

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