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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

化学物質の分解

分子は、食器と同じように、どんなにていねいに扱ってもいつかは壊れます。つまり、たくさんあったとしても、量がどんどん少なくなっていくのです。その様子を目で見えるようプログラムを書きました。


物質の分解

分解速度:

操作方法

[←]キーを押す:物質を減らします。(この操作はキャンバスを一度クリックしてからでないと行えません)

[→]キーを押す:物質を増やします。(この操作はキャンバスを一度クリックしてからでないと行えません)

分解速度:物質の分解速度を設定します。左が0(全く分解しない)で、右が1(一瞬ですべて分解)です。

解説

決して経年劣化しない魔法のようなお皿があったとしましょう。しかし、普通のお皿のように、床に落とせば割れるようなお皿です。そのようなお皿を100枚用意して毎日使うとして、時間によってどのように数が減っていくかを考えてみましょう。はじめ、お皿はたくさん割れるでしょう。たくさんあれば、それだけ間違えて床に落とす回数も多いからです。しかし、お皿が減ってくると、割れる量も少なくなるでしょう。ということは、お皿は最初急激に減り、その後減る速度が鈍ることになります。このシミュレーションは、それを魔法のお皿ではなく分子で行っています。分子は最初急激に減り、だんだんゆっくり減るようになるのです。

ところで、分子はどうして分解するのでしょう?それは、周囲の分子とぶつかって、部品が取れてしまうからです。熱は分子のランダムな衝突ですから、熱を加えると、分解しやすくなることになります。

もし、分子が糖分のようにエネルギーを蓄える種類のものなら、分解することによってエネルギーは減ります(下の図を見て下さい。左はエネルギーを持ったブドウ糖と酸素で、右はそれを分解した二酸化炭素と水です。分解とは、ブドウ糖の状態が左から右に移動するということです。左と右の間に山があるので、昔買ったブドウ糖のお菓子が分解される確率は低いですが、0というわけではありません。強い分子の衝突が起きれば、そのエネルギーで山を乗り越え分解するでしょう。たとえば、ガスコンロの炎で炙れば燃えてなくなるのです。このプログラムの分解速度項目は、炎の温度のようなものと解釈できます)。減ったエネルギーが勝手に充填されることはありませんから、どんどんエネルギーを持った分子は減る一方だというわけです。

このシミュレーションは、ブドウ糖が酸素と反応してどんどん数を減らしているような状況だと考えることができます。この反応で、ブドウ糖が持っていたエネルギーは熱に変わり逃げていきます。生物はそれを非経済的だと考え、山の間に水車を作ってエネルギーを逃さず利用しています。ATP合成酵素(まさに水車のような形をした分子)によりATPのような他のエネルギーを持った分子を作り、それが筋肉を動かすのです。

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