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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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基本を復習します。気体の入ったシリンダーを圧縮すると、圧力と温度が上がります。その理由は気体が分子であり、圧力は分子が壁に当たる衝撃、温度は分子の平均運動エネルギーと関係があるということを理解すれば、かんたんにわかります。
灰色の四角をマウスでドラッグ:灰色の四角を移動します。
水玉をマウスでドラッグ:水玉を移動します。
これは気体を圧縮すると、気圧と温度が上がるシミュレーションです。灰色の四角(シリンダーです)をマウスで左に移動してみて下さい。水玉が激しく動き始めます。これは、水玉がシリンダーにぶつかった衝撃で動き始めたからです。シリンダーから――さらに遡るとあなたのマウスポインタから――エネルギーをもらったのです。気圧とは壁に当たる分子の衝撃が作り出すものなので、気圧が上がることがわかります。温度とは分子の平均運動エネルギーが正体なので、温度も上がることがわかります。
ちなみに、シリンダーを右に移動すると心なしか水玉が遅くなるような気がします。これは、退いているシリンダーに水玉が当たっているからです。
このシミュレーションは分子レベルの気体の圧縮と膨張で遊ぶことができます。
このシミュレーションで実演することはできませんが、マクスウェルの悪魔の存在を実感することができます。マクスウェルの悪魔とは周りから熱エネルギーを吸い取り人が自由に使えるエネルギーに変換する装置――いわゆる第2種永久機関ですが、実際に作っても発電した以上のエネルギーを浪費してしまうため全く実用にはなりません。しかし、物理学をより理解する助けにはなります。
このシミュレーションで遊んでいると、こういう疑問が浮かぶかもしれません。「エネルギーを全く消費せずにガスを圧縮することはできないだろうか?シリンダーを分子が近くにないときは左に動かして、分子が近くにやってきてシリンダーと衝突しそうになったら動かないようロックする(この2つはエネルギー消費なしに出来る)。これを繰り返せば分子の衝突に逆らわないのでエネルギーを全く消費せずにガスを圧縮できてしまう。ということは、永久機関ができてしまう!」
エネルギーを使わずガスを圧縮できると永久機関が出来るというのは、ガスが膨張する時、それを発電機につなげば発電できるからです。膨張で発電、エネルギーを使わず圧縮、膨張して発電…を何度も繰り返せてしまうのです。
しかしこの方法は本物の永久機関を作るのには使えません。やはりと言うべきか、エネルギーがそれ以上に浪費されるからです。ここでは、ガスの分子がシリンダーの近くにあるかどうかを観測しているというのがまずいのです。観測はエントロピーを下げるので、自由に使えるエネルギーを熱から作り出せます。しかし、観測データを消去して次の観測を行おうとする時、熱としてエネルギーが逃げてしまい、発電で得るエネルギー分を台無しにしてしまいます。永久にエネルギーを作り出すはずが、結局エネルギーを消費する機械を作っただけだったのです。