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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

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未来の位置がわかっているランダムウォークのエントロピー

エントロピーは無知の尺度とみなせるため、現在地がさっぱりわからない物体のエントロピーは高いのですが、未来からその物体がどこにあるのか教えてもらえれば現時点での位置がだいたい予測できるため、エントロピーは小さくなります。これをひと目で分かるシミュレーションを書きました。


情報のタイムトラベルはエントロピーを下げる

世界線エントロピー
表示

操作方法

左のキャンバスの好きな部分をマウスでクリックすると、「未来のその地点にランダムウォークがある」場合のシミュレーションを開始します。

解説

このプログラムは未来の位置がわかっている時のランダムウォークのエントロピー(無知の尺度)を計算します。左のキャンバスがランダムウォークを表示し、右はそのエントロピーを表示します。

このプログラムがどういう状況を想定しているのかを説明します。まず、あなたはある粒子の位置を知りたいのだと想像してみてください。しかし現在あなたはその粒子が世界のどこにあるのかさっぱりわかりません。もしかすると地球の裏側にあるかもしれませんし、それどころか何光年も離れた別の星にあるのかもしれません。ここで、30秒後のあなたからメッセージが送られてきて、あなたは偶然その粒子をキャッチしたということがわかったとします。こうなると、だいたい見当がつきます。多分もう既に近くに来ているのでしょう。別の太陽系を漂っている可能性などありません。30秒後にここにこれる範囲内にいるのです。それどころか、時間が経つに連れ、どんどんその範囲は狭まっていきます。粒子の位置は、あなたは何もしていないのに、どんどん予測しやすくなっているのです。

これは通常の粒子とは逆です。通常、時間が経てば経つほど位置の予測は難しくなっていきます。しかし情報が未来からタイムトラベルしてきたときには、どんどん予測が簡単になっていくのです。あたかも時間が逆転しているかのようです。

エントロピーは観察者の無知の尺度なので、通常の粒子ならエントロピーはどんどん増えていくでしょう。しかし未来の情報がわかっている粒子のエントロピーは時間が経つにつれどんどん減っていくのです。情報がタイムトラベルしてきている時、時間逆転と似た現象が起きるわけですね。

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