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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

特殊相対性理論デモ

アインシュタインの特殊相対性理論のデモプログラムです。ロケットが高速で動くと時間と空間が歪みます。


デモ

私達にとっての世界

ロケットにとっての世界

速度:

操作方法

速度:ロケットの速度を操作します。つまみを左端に移動させると、ロケットが左方向へ光速ギリギリで動く図になります。つまみが右側だとロケットは右方向です。つまみがちょうど真ん中にある時、ロケットは全く動いていない状態です。たぶん、地球上の倉庫に置かれているのでしょう。

解説

光は誰から見ても速度が同じです。地球の観測者もロケットに乗って猛スピードで動く観測者も光が光速で動いているのを観測します。動く観測者からは光の速度はその分違って見えそうなものですが(なにしろ走る電車の中では周りの乗客たちが止まって見えるのですから、光と同じ速度を出せば光も止まって見えそうなものです)、そうはなりません。光をどんな猛スピードで追いかけたとしても、光はやはり光速であなたから遠ざかるのです。

どうしてこんな事が起きるのかというと、速度を出すと時間と空間が歪むからです。このプログラムの「速度」を操作してみて下さい。灰色の正方形が変形してひし形になります。これは、ロケットが速度を出すと、ロケットにとっての時間軸と空間軸が私達にとってのものとは違うものになったということを意味しています。上と下に2つのキャンバスがありますが、上は私達にとっての時空で、下はロケットの観測者にとっての時空です(上のキャンバスの灰色の領域は、下のキャンバス全体と同じです)。私達とロケットの人は、世界を違う物差しで見ています。注目してほしいのは、どんなにロケットの速度を変えたとしても、光(オレンジ色の線)の角度は45°のまままったく変化がないという点です。角度は速度を意味しますから、これは私達もロケットの観測者も光は常に光速に見えるということを意味します。

これで光の速度が一定になりました!しかししわ寄せを食らったものがあります。光以外の物体です。目盛りの付いた2つの線に注目して下さい。ロケットの速度を変えると、ロケットから見ると線の間隔が短くなり、目盛りの間隔は長くなります。これは、猛スピードで動いている人から見ると、物体は縮み、時間はゆっくりになるということを意味しています。そんなことは日常の体験と照らし合わせるとありえないように思えます。全速力で走っても、周囲の建物が潰れ時計台の針がゆっくりになるのを目にする人はいません。実は時空の歪みは、かなり速度を出さないと小さすぎてわからないのです。図を見て下さい。縦棒が停止した物体で、45°が光速です。光速は秒速30万キロですから、私達が全速力を出しても、1°も傾かないのです。走ったときは歪んでいるはずなのですが、その歪みは検出不可能なほど小さいわけです。

ところで時空が歪むなどと本当に考えてよいのでしょうか?これはしかたがありません。光速は一定でなくてはいけないのです。アインシュタインが特殊相対性理論を思いついたのは、光速が一定でなければならないというアイデアが最初です。当時光速を出す式はあったものの、その式はどういうわけかそれが誰にとっての光速なのか言っていませんでした。アインシュタインの考えは、光速はどんな動きをした誰にとっても同じだというものです。光速が一定であることが最初に決まっていて、後の空間の縮みや時間の遅れはその辻褄を合わせるために考え出されたものなのです。

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