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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

鏡を動かした時の光の強さの変化

光はスタートとゴールの間の最短時間の経路を通りますが、それはあくまでかんたんに考えるための近似であって、そう考えるとまずい時もあります。このページのデモはそのまずい具体例に関するものです。


そもそもゴールに行くことがないかもしれない

鏡の位置:

操作方法

鏡の位置:つまみで鏡を動かします。

解説

これは、光が最短時間の経路を通ると考えるとまずい具体例のシミュレーションです。●から光が出て、鏡に反射し、◎に光がたどり着きます。細いオレンジ色の線は光の可能な経路のリストで、太いオレンジ色の線は光の最短時間の経路です。

このプログラムの最初の状態では、明らかにこんな変な経路を通る光は存在しないとわかります。鏡には適切な角度というものがあり、それから外れると、自分の顔を写してみることはできません。たしかに太いオレンジ色の線はたしかに最短時間の経路なのですが、明らかに非現実的なけいろです。じっさい、光子がスタートからゴールまで移動する確率(小さな矢印がたくさんついた灰色の正方形の面積)は、この状態では小さいです。

ゴールが◎だという前提のもとではたしかに太いオレンジ色の線が残ると考えてもいいのですが、そもそも◎に行く確率は低いのです。現実的には、光はどこか別の場所に飛んでいくでしょう。●が豆電球だと考えると、◎に行く可能性はほぼ0だと直感的にわかります(間に黒いしきりがあるので、鏡に反射せず直接行くこともできません)。鏡がへんてこな位置にあったら、最短時間の経路といえど、そこを光が通るとはいえないのです。

これは、左上のグラフを見て理解することもできます。このグラフは、光がスタートからゴールまで移動するのにかかる時間のグラフです。ある位置で反射する光がどのくらいの時間で到着するかを教えてくれます。ポイントは、経路の時間が周りの経路と同じ時間になっていないと、打ち消されてしまうという点です。つまり、グラフのカーブが、水平になっていなければいけません。最短時間というのは、「周りと時間が同じだ」ということの言い換えに過ぎません。今回のように、鏡が変な位置にあったら、最短時間の経路と言えど時間が周りと食い違ってしまうので、打ち消し合い消えてしまうのです。あくまで自分の隣人と息の合った経路のみが生き残るのです。

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