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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

タイムトラベル物々交換とタイムトラベル締め切り延長

タイムトラベルできる世界を自動的に生成できるツールがあったとしたら、頭を捻らなくてもタイムパラドックスのないSFが書け、大儲けできるでしょう。そのようなツールを作るたには、タイムパラドックスが生じそうになったらそれをなんとか解消する方法が必要です。ここでは、2つの解消方法――物々交換と締め切り延長――について考察します。


タイムトラベル物々交換

物事を考えるには、いきなり難しいところに取り掛かるよりも、まず単純なケースについて考えるたほうがうまくいくことがあります。というわけで、単純なタイムパラドックス解消法について考えましょう。つぎのように、2つのタイムパラドックスをもたらすループがあったとします:

この2つのループはタイムパラドックスを引き起こします。未来から1が来たのに、0を過去に送ろうとしているからです(あるいは0が来たのに1を送ろうとしています)。しかし、次のようにつなぎ替えると、パラドックスでなくなります。

具体的な例を考えるなら次のようになるでしょう。あなたと隣人は、ともに未来からメッセージを受け取ります。あなたは魚を食べると知らされ、隣人は木の実を食べると知らされます。しかしあなたは木の実しか持っておらず、隣人は魚しか持っていません。二人共とてもお腹がすいているので、このままでは手元にあるものを食べ、タイムパラドックスを起こしてしまいます。

そこであなたは天才的発想をひらめきます。2人で持っているものを交換すればよいのです!そうすれば、2人ともパラドックスを回避できます。まさにwin-winです!

この考え方の良いところは、タイムパラドックスが二つ集まっているのに、パラドックスが増えるどころか消えている点です。どんなパラドックスでも使えるテクニックではありませんが、今回のような単純なケースでは役に立ちます。

タイムトラベル締め切り延長

物々交換はタイムパラドックスの並列つなぎです。では直列つなぎは可能でしょうか?次のように、時間のずれた2つのタイムパラドックスがあったとします:

これは、次のようにつなぐとタイムパラドックスを回避できます:

-1を2回かけるともとに戻るのと同じで、ビットを2回反転すると、もとに戻るのです。まあ、昔の人が映りの悪いテレビを叩いて治そうとしたのと同じようなものです。正常なテレビを叩くのは良くないかもしれませんが、映りの悪いテレビなら、叩くことが良いことになるかもしれません。もっとも、現在のテレビにそんなやり方が通用するかはわかりませんが…。

※未来から過去に移動している矢印が2つから1つに減っているように見えますが、実際には減っているのではなく、2回連続してタイムマシンを起動しているだけです。

パラドックスを足してパラドックスを消す

これはなんだかゲームが作れそうです。ブロックを集めてブロックを消すゲームはたくさんありますが、それと同様に、タイムパラドックスを集めてパラドックスを消すゲームを作れるかもしれません。

今回の場合は0と1だけで考えていますが、他にも数字をたくさん使ったらもっと複雑なパラドックス解消法が必要になるかもしれません。数字によって色を変えたらカラフルになりますし、なんだか楽しそうです!

ともあれ、本来の目的はタイムトラベルもののSF小説自動ジェネレーターです。今回わかったことは、タイムパラドックスのない論理構造を作るのは、おもったよりもかんたんかもしれないということです。個々の要素ではタイムパラドックスが生まれそうだとしても、それらが相互作用すればお互いに打ち消しあって矛盾のない歴史を形作る可能性があります。タイムパラドックスが生まれそうな時絶望する必要はなく、それらを集めれば希望が生まれるかもしれないのです。

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