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Memeplexes

プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

2つの部屋で拡散する粒子(時間逆転バージョン)

前回の時間逆転バージョンです。二つの部屋に散らばった粒子が、奇妙にも、勝手に片方の部屋に集まります。


時間逆転拡散

(時間が逆転していない時の)粒子が移動する確率:

操作方法

(時間が逆転していない時の)粒子が移動する確率:粒子がある部屋から別の部屋に移動する確率を設定します。この数字が大きければ大きいほど、粒子は動き回ります。0にすると動かなくなります。注意すべきなのは、このシミュレーションでじっさいに粒子が移動する確率はこの値とは異なるという点です。このシミュレーションはあくまである現象の時間を逆転したシミュレーションであり、ここで設定するのは時間逆転していない元の現象の確率にすぎません。時間が逆転していると、確率は歪むのです。

[リセット]ボタン:粒子を2つの部屋に散らばらせます。このとき、各部屋の粒子の数は同じです。

解説

一つの部屋にある粒子が2つの部屋に散らばる現象の時間逆転バージョンです。2つの部屋に散らばったものが一つの部屋に集まります。散らかったおもちゃがひとりでにおもちゃ箱の中に収まるようなもので、現実には起きません――まあ厳密に言うと、しぶしぶおもちゃを片付ける子供のような、外部の介入があれば起きますが。

このシミュレーションの素晴らしいところは、「いつ、どちらの部屋に集まることになるのか」が決まっていないところです。粒子はランダムに行ったり来たりをくりかえし、次第に目的地が決まるのです。事前に設定されているわけではありません。ここで行われている計算は、「粒子がたくさんある部屋から粒子が出ていく確率は小さい」というものであり、どちらの部屋にすべての粒子が集まるかはプログラムを実行してみないとわからないのです。

このプログラムを見ていると、とても擬人化したくなる欲求に駆られます。シミュレーションをスタートすると世界線(右の時空図に表示されている線)は左右を行ったり来たりしますが、これはどちらに行こうかまだ迷っているのです。時間逆転拡散は、生きる目的を探している人のような動きをするのです!私はこの手のシミュレーションが未来の道徳の授業で使われることをほぼ確信しています!

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