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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

洞窟で退化する目

暗い洞窟にいる魚は目が退化しています。暗すぎるので目はなくても問題ないのです。


目の無秩序化

操作方法

洞窟の中(光が当たらない):チェックを入れると、このシミュレーションの舞台が暗い洞窟の中になります。光がなく目があっても仕方がないので、目の遺伝子は崩壊していきます。

解説

これは、ダーウィンの自然淘汰理論のかんたんなシミュレーションです。洞窟の中の魚の目が退化して見えなくなっていく様子を観察することができます。

黒いランダムウォークはそれ一本一本が一匹の魚を表しています(10本あるので、さかなは10匹います)。後ろの白と灰色の背景は、魚の遺伝子の状態です。白いところにいる魚はちゃんと目が見える状態ですが、灰色の場所にいる魚は紫外線か何かでDNAに傷がついて目が見えなくなっています。魚たちは一定の周期で子孫を残し死にます。子孫は親と同じ位置からスタートするランダムウォークなので、親とつながっているように見えるでしょう。一方、子孫を残せなかった魚はランダムウォークがそこで断ち切られます。ランダムウォークが魚の遺伝子の流れを表すわけです。

通常の環境では、目が見えない魚(灰色の場所にいる)は子孫を残せず死にます。生き残るのは自分の目で周りの環境を把握し捕食者から逃げたり餌を捉える魚(白い場所にいる)のみです。魚達に与えられる突然変異は、次の世代に持ち越されません。有害な突然変異を起こした系統は皆途絶えるからです。このシミュレーションでは、ランダムウォークが広がっては縮まり広がっては縮まりを繰り返しているように見えるでしょう。「目が見える」という状態が、ランダムウォークをひきつけているわけです。この魚の集団はどの世代でもちゃんと動作する目を持ち続けます。

ところが、洞窟の中では話が違います。この洞窟の中には光がほぼ全く入ってこないので、目なんてあってもなくても大差ありません。というわけで退化します。[洞窟の中(光が当たらない)]チェックボックスにチェックを入れて下さい。シミュレーションが洞窟モードになり、ランダムウォークは拡散しっぱなしです。それまで目を形作っていた遺伝子たちは、ランダムな突然変異によって破壊されていくのです。魚の眼は無秩序さに飲み込まれて消えてしまうわけです。

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