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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

興奮と振動

生物の興奮(ニューロンの信号)と振動(細胞の化学物質の濃度の周期的変化)のシミュレーションです。この2つは化学的なスイッチに少し手を加えることで作ることができます。


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Aの変化速度 =
  合成速度( × A × A / B, ただし上限は)
  - 分解速度( × A)
  + ユーザーのキーボード操作による変化速度

Bの変化速度 = × (A - B)

操作方法

キーボードの[←]キーを押す:物質Aを減らす。この操作をできない時は一度キャンバスをクリックして下さい。

キーボードの[→]キーを押す:物質Aを増やす。この操作をできない時は一度キャンバスをクリックして下さい。

4つの数字入力欄:化学反応の速度を調節します。この数値は初期状態のまま変えなくても、興奮と振動は体験できます。これはおまけ要素です。意味がわからなければ無視して下さい。

解説

このシミュレーションは、生物の細胞に起きる2つの現象――興奮と振動――をシミュレートします。興奮とは、一時的に高まり元に戻ること、振動とは周期的にそれを繰り返すことです。

この2つの違いは、実はキーボードの[→]キーの押し方の違いに過ぎません。[→]キーを押してすぐ離すと起きるのが興奮で、[→]キーを押し続けた時起きるのが振動です。ちょんと押すと、赤い縦棒は一度だけ右に移動し、また左の位置に戻ります。押し続けると、赤い縦棒は左右を行ったり来たりをくりかえします。この2つは現実の生物で言うと、外部からの刺激が一度だけあるの(ニューロンが他のニューロンから刺激を受ける時)と、継続的に同じレベルの刺激が起き続ける(化学物質が一定の速度で生産され続ける)という違いです。

スイッチから興奮と振動を作る

この興奮と振動シミュレーションは、遺伝子スイッチを改造して作っています。遺伝子スイッチとは、化学物質の濃度が勝手に0か1に調節されるというものでした。興奮は、とても1になりやすいスイッチを利用してシミュレートできます。物質Aの量が0の時にちょいと刺激を与えると1になります(1になりやすいため)。ただし、オリジナルのスイッチと違って、一度1になると、Aの合成速度を遅らせる(足を引っ張る)化学物質Bが増え、今度はAの量が0になりやすくなります。よって、化学物質Aの量は、0→1→0となるのです。通常の状態が外部からの刺激によって急激に変化し、定められたゴールに到達したらまた通常の状態に戻るのです。

これはある意味、映画『エイリアン』に出てくる寄生生物のいる惑星に開拓のため人が降り立つような状況です。人はそこで植民し数を増やすでしょうが、ひとたびエイリアンに出逢えば寄生されてあっという間に全滅するでしょう。人間が化学物質Aでエイリアンが化学物質Bです。なにもないところに何かがやってきて数を増やしていき、それが別の何かによって数を減らし、また何もない状態に戻すのです。

ちなみに、刺激を継続的に与え続けると、振動が起きます。エイリアンにやられて全滅したところに、また新たな犠牲者たちが宇宙船でやってくるのです。

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