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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

情報のタイムトラベルで逆に未来がわからなくなるケース

タイムマシンで未来から情報が送られてきたら、未来についてよりよくわかるようになると思えるかもしれませんが、逆に未来がどうなるか予測が困難になるケースもあります。


3択クイズ

要点をより直感的に理解するため、次のような状況に自分が置かれたらと考えてみて下さい:あなたは命がけのギャンブルをおこなっていて、3択クイズに外れると死んでしまうのです。ただし、その3択クイズは極めてかんたんなものです。

これから3つ並んだ板A, B, Cに向かって銃を撃つとします。ただし、その銃はとても精度が良いので、真ん中の看板Bに当たる確率は99.999999999%で、両側の2つの板A,Cは両方共0.0000000005%です。クイズの内容は、「命中するのはA,B,Cのうちのどれでしょう?」です。

Bを選ぶのがもっとも安全です!Bに命中する確率は極めて高く、外れる確率はわずか千億分の一です。現在の地球の人口から一人を選ぶのより確率が低いのです。というわけで、この場合は、迷わずBを選ぶべきです。このギャンブルを生き残るのは造作も無いことです。

未来からのとても珍しいメッセージ

ところが、未来から「当たるのはBではない」というメッセージが来ようものなら、状況は一変します。

未来から情報を受け取る前は実質的に無害だったクイズが、今や1/2で死ぬ悪夢のようなクイズとなってしまいました。未来から情報を受け取ったからと言って、未来を予測しやすくなるとは限らないのです(エントロピーも、情報を受け取る前は0.00000000039..bitだったのに、今や1bitにまで上昇しています)。

もちろん、このようなことは通常起こりません。そもそも、未来からそんな不吉なメッセージが送られてくる確率は千億分の一です。だから通常、このようなことを気にする必要はありません。ここでは、理論上はこういうことが起こる確率が0ではない、という話を言っているに過ぎません。

確実に未来が予測しやすくなるケース

さいごに、お口直しとして、「未来からメッセージが来て未来が予測しやすくなる」という、きわめて常識的な普通のケースを見ておきましょう。

これなら未来から「当たるのはBではない」というメッセージが来ても、自分が死ぬ確率は上がったりしません。3択問題が2択に減り、より未来を予測しやすくなります。エントロピーも1.58..bit→1bitと減少します。

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