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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

科学者はタイムトラベルごっこをしている

科学の目的の1つはモデルを作り未来を予測出来るようにすることです。この論理的な構造はタイムマシンで未来を知るのと同じです。ある意味、科学とは未来から情報を受け取る、タイムトラベルごっこなのです。


未来を予測する

わたしが初めて物理学を学ぼうとしていた時、「なぜ物理学では数式を扱うのか?。数式があれば未来が予測できるからだ」というような話を聞いたのですが、当時のわたしは全く納得できませんでした。「予測なんかして何が楽しいんだ?それより式から物理シミュレーションを作って、仮想の世界(現実の未来ではない)の中で自由におもしろ現象を作ったほうがよっぽど楽しいはずだ」と思ったものです。しかし今のわたしには現実世界の予測をしたいという動機も十分に理解できます。というのも、未来の予測はタイムトラベルと同じだからです!!タイムトラベルは何度も小説や映画のテーマになっていて興行的にも成功していますから、楽しいに決まっています。数式を使えば、未来の情報をとってこれます。数式はタイムマシンなのです!!一部の物理学者たちは何百億年も先の宇宙の状態を現在にまでタイムトラベルさせようとしていますが、それは数式を使っているから可能なのです。

数式というタイムマシンを動作させるには、条件が必要です。現時点での世界の情報をある程度かき集める必要があります。もしあなたが高層ビルの屋上からりんごを落としたら、リンゴの運命は地面とぶつかる前にわかります。私たちはあらかじめリンゴの未来――粉々になってアスファルトに果汁を撒き散らしている――が見えているのです。しかしそれは、私たちがすでにリンゴの状態――高層ビルの屋上から落ちつつある――を知っているからです。もしリンゴについて何も知らない状態で10秒後のリンゴの状態を予知してみろと言われても何も言えません。もしかしたらリンゴは単にスーパーの棚に陳列されているだけかもしれないからです。現在の情報がタイムマシンを動作させるカギなのです。私達が世界を観測するのは、数式タイムマシンを動作させる条件を満たそうとしているからに過ぎません。

観測とタイムトラベルと言えば、永久機関<シラードのエンジン>を連想します。<シラードのエンジン>は限定された空間の中の時間を逆転させることにより熱を有用なエネルギーに戻す永久機関ですが、それにはその空間の中の分子を観測しなければいけません。観測によって分子の未来の衝突を予測し(つまり数式タイムマシンを動作させ)、衝突のエネルギーを蓄めるのです。そして、タイムマシンと時間逆転は密接に関わりがあります。時間が逆転していたら情報が未来から現在に流れてくるに決まっているからです!<シラードのエンジン>はタイムマシンから未来を教えてもらい、ランダムなはずの分子の動きを合気道の達人のように利用する機械なのです。

こうかんがえると、科学とはタイムマシンによって未来の情報を可能な限りたくさん現在にまで持ってくる学問だということがわかります。そして、量子力学の非決定論的性質は、その精度を100%にすることは不可能だということを意味しているのです。だからアインシュタインは科学に大きな貢献をしたにもかかわらず、量子力学を憎んだのです。

おじいさん殺しのパラドックス

科学がタイムトラベルごっこなら、科学におけるおじいさん殺しのパラドックスは何でしょう?物理学ではこれはさほど問題になりませんが、経済学だとこの問題は無視できないほど大きくなります。もしわたしが宇宙一権威ある経済学者で、バブルが弾けるのは3ヶ月後だと言ったら、3ヶ月もかからずに今すぐ恐慌になるでしょう。つまり、未来予測が自分自身を否定したのです――ちょうど過去に戻って自分のおじいさんを殺すようなものです。これが経済学において予測が困難な理由です。経済学において、タイムパラドックスはありふれたものです。これが何を意味するかというと、タイムパラドックスを解消する方法の研究は、同時に完璧な経済学を誕生させる鍵でもあるということです。

まとめ

科学者の作る数式はすべてタイムマシンと論理的に等価です。それによって未来の情報を手に入れることができます。一見数式で記述するのに向いていないようにみえる現象は、すべてその内部にタイムパラドックスを引き起こす仕掛けがひそんでいるだけであり、それさえ解決できてしまえば究極の学問が完成するでしょう!

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