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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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前回化学振動子シミュレーションでどんな反応が起きるか書きましたが、前提知識無しだとどうも難しすぎるような気がするので、可能な限りかんたんなところから説明をしてみます。
わけがわからなくなった時は絶対に理解できる簡単なところから始めるのが一番です。誰でも理解できる反応は、「AがBを合成する」という反応でしょう。
AがBを合成する反応なので、Bは増えていきます。ただしAを作り出す反応はないので、Aの量は変わりません。
このオレンジ色で囲った部分は、最初「AもBもそこそこある」ところからスタートしますが、その後Aの量は変わらず、Bの量だけが増えていきます。なので上に移動するわけです。
なお、上の図にある「A→B」というのは化学反応式とはちょっと違う意味です。化学反応式なら「A→B」は「AがBに変化する」なのでBが増えた分Aの量は減ってしまいます。今回の「A→B」は、「Aが触媒となり周りの物質を利用してBを作り出す」と解釈できます。Aは触媒するだけなので量は変わりません。Aの量が変わるかかわらないかに違いがあります。一方で、「Aの量がマイナス」の状態からスタートしたら、今度は逆にBは減っていきます。Bを作り出す物質が「マイナス個」あるので、Bは逆に減るのです。合成する反応なのに逆に破壊するとは変な話ですが、マイナス✕プラス=マイナスなのでしかたありません。
右側では増えるので上へ移動しますが、左側では減るので下へ移動します。Aの量がプラスならBは作られ、マイナスならBは破壊されます。
通常、分子が「マイナス個」あることなどありえませんが、「マイナス個であってはならない」条件をプログラムに追加するよりはこちらのほうが(プログラムとしては)かんたんです。
このシミュレーションでは緑色の玉が移動する速度が反応の速度です。ものすごい速さで上に移動していれば、ものすごい速さでBが合成されているということです。反応の速度を決めるものは2つ。物質の量と、矢印の太さです。
この図には2つの緑色の玉の列がありますが、左は遅く、右は速いです。「AがBを作り出す反応」なので、Aが多ければ多いほどBが増えるスピードは上がるわけです。Aの量がBの反応スピードを決めます。
反応の速度を決める別の要素もあります。矢印の太さ(反応系数)です。
矢印の太さを大きくすると、速度がその分大きくなります。下のテキストボックス欄にある数字は矢印の太さを表しており、最初の8.399999999999988倍の太さ(反応速度)になったことを意味しています。
ちなみに反応系数は分子の形のようなものだと考えてください。何かを合成する能力が高い種類の化学物質もあれば、能力が低い種類の化学物質もあるでしょう。それは分子の形の違いが合成能力の差をもたらしているわけです。矢印の太さを変えると、(奇妙な話ですが)緑色の玉が持っているAとBはそっくりさんのA’とB'に入れ替えられ、今までの「A→B」ではなく「A'→B'」という反応を起こすようになります。反応の違いが矢印の太さの違いというわけです。
今度は逆に矢印を細くしてみましょう。細くしまくって太さがマイナスになると、→が⊢に変身します。これは「相手を破壊する」を意味します。
今度は「AがBを破壊する」ので、Bの量はどんどん減っていきます。緑色の玉は下へ移動していくのです。Aが多ければ多いほどBの減少速度は上がっていきます。
奇妙な話ですが、破壊する反応なのにBが増えることがあります。それはAの量がマイナスの時で、「破壊する反応」がマイナスになった結果、逆に生成する反応になるわけです。
グラフの左半分では緑の玉は上へ移動します。破壊する反応は破壊を行う物質がマイナス個あれば生成する反応になるのです。「マイナスのマイナスはプラス」です。