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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

化学振動子シミュレーション解説

化学振動子シミュレーション(2種類の化学物質)

これの解説です。


8種類の基本反応

化学反応の速度を調節することで、8種類の基本的な反応を出すことができます。

1. 回転1

このプログラムは最初ループするように反応がセットされています。AはBを作り、BはAを分解する化学反応になっています。これはループです。

最初AがたくさんありBの分子の数は0だという状況を考えます。最初Aが多いとBが作られ、Bが多くなるとAは量が減っていきマイナスになります。マイナスの分子数になったAは今度はBを減らしていき、Bも分子の数がマイナスになってしまいます。そうするとBは今度はAを増やしていき、最初の「Aが多く、Bは0」の状態に戻ります。(はい。たしかに現実の物質はマイナスの個数にはなりません。しかしこのシミュレーションでマイナスの時に起きる反応と同じ効果を持つ反応を現実の分子で起こしてやれば、本質的には問題ないのです)

これはちょうどバネの振動と数学的に同じです(全く同じ数式です)。バネの伸びた長さがBでバネの伸びる速度をAだと考えてみてください。バネの伸びる速度Aはバネの伸びた長さBを増やします(小学生の算数です)。一方、バネには反発力があるので、BはAを減らします。バネを伸ばしたら、伸びる速度がマイナスになる(縮む)のです。

あるいは、肉食動物Bと草食動物Aと考えても良いでしょう。肉食動物と草食動物の個体数は振動することが知られており、ロトカ=ボルテラとか言ったりします。バネ振動や化学反応の振動と式の形はちょっと違いますが、相手を増やす何か(A、バネの伸びる速度、草食動物)と相手を減らす何か(B、バネの伸び、肉食動物)という意味ではだいたい同じです。

2. 回転2

回転1のAとBの役割を入れ替えただけです。逆回転になるという変化はありますが、本質的には回転1と同じです。

3. お互いを増やし合う

4. 遺伝子発現スイッチ

お互いを減らし合う反応です。足を引っ張り合い、最後に生き残るのはAかBの片方だけです。

この反応では緑玉は2つの運命のうちのいずれかをたどります。左上に行くか右下に行くかで、その中間はありません。

これは細胞の分化に少し似ています。受精したばかりのころはどの細胞もほとんど性質が同じですが、時が経つに連れ別々の状態に落ち込みます。

この反応も、最初緑玉の位置が似たような場所にあっても、最終的には左上に行くか右下に行くかに分化するわけです。

5.爆発

AもBも自分自身を作り出す反応を引き起こします。ある種の自己複製で、爆発的に増えていきます。

6.収縮

AもBも自分を分解します。最終的には分子の数は両方共0になります。

7.我が道を行く1

お互い関わりあわず、正反対の反応を起こします。

8.我が道を行く2

お互い関わりあわず、正反対の反応を起こします。7のAとBの役割を入れ替えただけで本質的には同じです。

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