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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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数学者ダフィット・ヒルベルトは無限の部屋があるホテルについて考えました。このインフィニティーホテルは無限の客を収納できることを始めとして、様々な無限による奇妙な恩恵を受けます。ここでは、その恩恵の一つであるゴミ捨て場のいらないゴミ回収をシミュレートします。
[ゴミ]ボタン:ゴミ回収を実行します。
[犬]ボタン:犬を消滅させます。
これはインフィニティーホテルでどのようにしてゴミ回収がなされるかのシミュレーションです。不思議なことに、各部屋から出たゴミは次の手順を実行することによりこの世界から消滅します。まず、各部屋の客は自分の部屋から出たゴミを次の番号の部屋に移動します。次に、さっきの半分の時間で、自分の部屋の前にあるゴミを次の部屋に移動します。これを繰り返すと、有限時間内にゴミはホテルから消滅します。というのも、この作業はどんなにたくさんくりかえしても有限時間しかかからないからです。有限時間内に、自分の部屋の前にゴミがない状況が、すべての部屋で実現するのです。
※このことは次のような思考実験を考えてみればわかりやすいでしょう。「ある場所から別の場所へ移動し続けているのにゴールにたどり着けることはないということはあり得るか?」という疑問の答えは数学的には「あり得る」です。毎回、ゴールまでの距離の半分を移動すれば、ゴールまでの距離が減り続けているのに決してゴールにたどり着くことはありません。これを時間に置き換えてみると、無限の作業が有限時間内に終わります。しかしインフィニティーホテルの場合は無限の作業をする心配も必要ありません。部屋番号は有限なので、必ず有限のゴミ移動ですむのです。
この作業によりゴミはどこへ行くのでしょう?こたえは物理学者デイビッド・ドイッチュが言うように「どこでもないところ」です。無限という部屋番号の部屋に全てのゴミが押し込められたのではありません。本当に消滅したのです。この「どこでもないところ」は特異点と呼ばれています。ゴミは特異点に消え去ったのです。この方法で一度消してしまうと、もう取り戻せません。ドイッチュが警告しているように、この方法でペットの愛犬を移動しないほうが良いでしょう。インフィニティーホテルでは、単なる移動が物を消滅させるのです。