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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

おもりとバネによる見せかけの時間逆転現象

エントロピーは観察者によって変わることを利用して、バネやおもりの動きを時間逆転現象っぽく見せかけます。


偽時間逆転



操作方法

バネもおもりも見えている:観察者はバネとおもり両方を見えている状態にします。

バネしか見えない:観察者はバネを見ている状態にします。おもりは見えません。

おもりしか見えない:観察者はおもりを見ている状態にします。バネは見えません。

解説

ここでシミュレートされているのは単なる振動するバネとおもりです。ただし観察者は、ラジオボタンにチェック位置を変えると奇妙な精神疾患を発症し、おもり(あるいはバネ)を認識できなくなります。絵の半分がわからなくなる半側空間無視をさらに奇妙にしたようなものです。

そうすると、観察者にとって、世界のエントロピーは上がったり下がったりを繰り返します。おもりを認識できなくなったら、不思議な事にバネが勝手に縮む(あるいは伸びる)ことになります。こんなことは時間が逆転していない限りありえません。バネが縮んだのは単にバネが振動しているだけではないかと考えることもできません。いま観察者が見ているのはそれよりはるかにゆっくとした縮みであり、バネの振動によるものでないことは明らかです(実際にはおもりがついているので縮みがゆっくりになっているだけなのですが)。観察者は、時間が前に進んだり逆転したりを繰り返す様子を見ることになるでしょう。

バネを認識できなくなった場合も同様で、おもりが勝手に加速したり(時間逆転)、減速したり(通常の時間)をくりかえします。

こんなシミュレーションをして一体何なるのでしょう?これは物理学というより精神病理学の領域ではないでしょうか?そうかもしれませんが、私が注目したいのは、観察者の知識が不十分だと、あたかも世界の時間が逆転しているかのようにみえることがある、という点です。第二種永久機関は時間を逆転させたかのように周りの熱を人が使えるエネルギーに変換しますが、それを作ることができたと本気で主張する人やそれに騙される人は、どこかの知識が欠けているのです。第二種永久機関(と主張されているガラクタ)は、それをよく調べてみると、どこかでエントロピーを、それが減らす以上に増やしています。それが本物の第二種永久機関だと信じる人は、そこから目を背けているのです。私たちは、どこかから目を背ければ、時間逆転現象とほぼ変わらないものを目にすることができるのです。

じっさい、上のラジオボタンをタイミング良く切り替えると(キーボードの↑や↓で切り替えるとマウスでやるより楽です)、時計の針を戻し続けることが可能です。これは欺瞞というかダブルスタンダード以外の何物でもありませんが、冗談としてやるのは面白いものです。

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