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Memeplexes

プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

熱の移動によるエントロピー変化

熱いものと冷たいものを一緒にしておくと両方ぬるくなり、2つの合計エントロピーは上昇します。これで遊べるおもちゃシミュレーションを書きました。


温め冷やそう

操作方法

マウスでドラッグ:箱を移動します。箱を別の箱にくっつけると、熱が伝わります。

解説

このシミュレーションには4つの箱があり、箱同士をくっつけて熱で遊ぶことができます。熱い箱の色は赤で、冷たい箱の色は青、中くらいの箱の色は白です。

箱は2種類あります。ふつうの四角い箱と角が丸い箱です。ふつうの四角い箱は熱いものとくっつくと暖かくなり、冷たいものとくっつくと冷えますが、角が丸い箱はいくら他の箱とくっつけても温度が変わらないようにプログラムされています(たぶん比熱がものすごく大きいのでしょう)。ユーザーが永久に使えるヒーター、クーラーです。思う存分他の箱とくっつけてください。

すべての箱には時計マークが描かれています。これはエントロピーをあらわしており、時計回りに回転するとエントロピーが増加しており、反時計回りに回転しているとエントロピーが減少しています。

時間が経つと宇宙全体のエントロピーは増加する(時計回りに回る)のですが、このシミュレーションの箱のように、局所的には逆回転することがありえます。ただしその場合は、必ず別の場所にしわ寄せが行き、宇宙全体ではやはり増加するのです。

温かいものと冷たいものをくっつけてみてください。温かいものは反時計回りに回り、冷たいものは時計回りに回るはずです。注意してもらいたいのは、かならず時計回りのほうが回転が速くなるという点です。2つの箱を合わせた仮想の時計を考えると、それは必ず時計回りです。温かいものが冷やされるとエントロピーは少なくなるのですが、その減少分よりも、冷たいものが暖められることによるエントロピー増加分のほうが多いのです。

このことをピーター・アトキンスは次のように説明しています:

図書館でのくしゃみは、混雑したとおりでのくしゃみよりも大きな音がするのと同じことである。

2つの箱をくっつけた時、片方が失う熱ともう片方が得る熱は同じ量ですが、それぞれのエントロピーへの寄与が違うので、この2つによるエントロピーは打ち消しあい0になったりせず、合計はプラスになるのです。

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