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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

タイムトラベルシミュレーションとしての自然淘汰(情報伝達版)

これまでにタイムトラベルと自然淘汰の共通点について何度か述べてきました。タイムトラベルはタイムパラドックスの起きなかった経路のみを生き残らせるのに対し自然淘汰は環境に適応している個体のみが生き残ります。たくさんのものから一部だけが生き残るというのは両者の共通点です。一方、情報の伝達が関わっているという点も共通していて、今回はそれに注目して考えてみます。


若い自分自身へ情報伝達する

情報伝達という視点ではタイムトラベルと自然淘汰の共通点は何でしょう?それは明らかに、「どちらも若い自分自身へ情報を伝達している」という点です。ワームホールで過去と未来を繋げば、未来(より年老いた宇宙)から過去(より若い宇宙)へ情報が伝わります。自然淘汰では親(より年老いている個体)から子(より若い個体)へ遺伝情報が伝わります。どちらも、年老いた何かとより若いなにかがあって、前者から後者に情報が伝わっています。そして両者とも、その情報は未来の何かについてをコードしています(アルマジロの鎧の遺伝子は、外敵の存在を予言しています)。情報の伝達という点において、タイムトラベルと自然淘汰はとても良く似ています(*)。

(*)個人的にはこれは大変喜ばしいことです。私は小学生の頃から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が好きで、中学生の頃から『利己的な遺伝子』が好きだからです。たぶん、私は両者を統一したタイムトラベル主義の創始者となるべきなのでしょう…。

情報が保存しなかったら

伝える情報が少なすぎたら

以前、ある種のタイムトラベルシミュレーションでは、情報が保存していないといけないと述べました(タイムトラベルシミュレーションは情報量保存を必要とする)。ではもし、受け取った情報より少ない情報しか伝えられなかったとしたらどうなるのでしょうか?

タイムトラベルシミュレーションの場合、単に正確なシミュレーションではなくなるというだけです。しかし自然淘汰の場合、深刻な問題を招きます。それはつまり、十分な数の子孫を残せないということであり、絶滅しかねないからです。

伝える情報が多すぎたら

では逆に伝える方法が多すぎたらどうでしょう?自然淘汰の場合、たくさんの数の子孫を残す(有性生殖の場合、2より多い数の子孫)ことに相当します。その場合成功したと言えます。ただし、下手に増えすぎると捕食者も増えて一気に数を減らすということもあるのですが…。その成功した遺伝子は、個体数が少ないときに成功したというだけであって、個体数が増えたときにどうなるかはわからないのです。

両者の違い

自然淘汰をタイムトラベルのシミュレーションとみなすためには、親の代と子の代の状態ができる限り同じでなければいけません。そういう意味で、個体があまりに増えすぎるというのも、よくないのです。

それに、有性生殖をする生物の場合、親と子はそこそこ違います。つまり、あまりタイムトラベルっぽくないと言えます。もしかすると、自然淘汰をタイムトラベルで例えるのは、無性生殖する生物に限るべきなのかもしれません。

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