忍者ブログ

Memeplexes

プログラミング、3DCGとその他いろいろについて

タイムトラベルする設計図を書き込み権のキャッチボールでシミュレートする

タイムマシンを作るにはどうすればよいでしょう?もちろん、未来の自分から設計図を送ってもらえばよいのです!あなたはそれを組み立て、過去の自分に設計図を送ることになります。このような始まりのない設計図の歴史を、ここではタイムマシンよりはかんたんなケースでシミュレートします。設計図から実物への変換と実物から設計図への変換を繰り返せば、タイムパラドックスのないタイムトラベルをシミュレートできます。


実物は設計図を生じ、設計図は実物を生ず


操作方法

[-1]ボタン:箱の数を1減らします。

[+1]ボタン:箱の数を1増やします。

解説

未知の装置の設計図を未来から送ってもらい、それをまた過去に送るということをやる場合、情報は次のようなループを描きます。あなたは未来からやってきた設計図に基づき装置を組み立て、その装置の写真を撮り、製作例として設計図にのせるのです。

重要なのは、ここでは物質がループを描いているのではなく、情報がループを描いているという点です。だから設計図が途中で実物になって、実物が設計図になるという変化が許されるのです。これはちょうど、数字がループを描いている時、途中で+1になっても、後で-1になれば許されるというのと同じです(設計図→実物の変化が+1で、実物→設計図の変化が-1だと考えて下さい)。途中で変化していても、一周回ったときに元の状態に戻っていれば、タイムパラドックスは起きないのです。

以前の数字のタイムトラベルのように、このようなループをシミュレートして途中でループ内の情報を変えようとしたら、①情報はもとに戻されるか、②情報書き換えに成功し、未来から過去へ行く情報が途中で書き換えられたことになるかどちらかです。つまり、情報の書き換えは許されることもあれば許されないこともあります。

今回のシミュレーションでは、書き込み権のキャッチボールによってそれをシミュレートしています(下の図)。左に実物の箱があり、右には時間を逆行する数字(設計図。箱の数を表す)が表示されています。書き込み権(青い光が輝いている状態)を持っている時は実物の箱の数を変えるのが許されますが、それがないときに箱の数を変えてもその数は不思議な力によって修正されます(タイムパラドックス回避のための奇跡です)。このシミュレーションは、実際には本当のタイムトラベルなど起こしていないのに、あたかも無限の未来から情報をもらっているかのように振る舞うのです!それもボールをお互いに投げ合うようなとてもかんたんな仕組みで。

このプログラムを一言で表現すると、「設計図が実物を生み出し、実物が設計図を生み出している」です。この太極図のようなアルゴリズムで、無限の未来からのタイムトラベルと同等になります。これはとても変な話です。タイムトラベルとは、時間の向きが逆向きに進む何かがあってループになるという話のはずなのですが、今ここには逆向きに進んだ物体など一つもありません――時間を前に進めながらループしているだけです。まあこのアルゴリズムで未来から有益な情報(明日の天気や株の上がり下がり)を持ってくることは不可能なので、所詮は偽物のタイムトラベルなのだと言うだけですが。

拍手[0回]

PR