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プログラミング、3DCGとその他いろいろについて
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前回シミュレートした2次元の波動関数に現れる謎のチェック模様がどのようにしてできるのか解説します。
前回のシミュレーションは、2次元の箱の中を粒子が動き回る現象の量子力学版でした。これにはときどき次のように、チェス盤の模様のような四角が集まったパターンが現れます。これはなんでしょう?波といえばなめらかで曲がりくねっているイメージですが、これは直線的で不自然です。どのようにしてこのようなパターンができるのでしょうか?
このようなチェック模様は、粒子の4方向の動きを足してやるとできます。
箱の中の粒子は古典(量子力学より前の物理学)的には、次のように跳ね回り4種類の速度を持っています:
実はこれが、チェック模様の正体なのです。4つの動きを波動関数で表し、それをそのまま足してやると、波の打ち消しあいがチェック模様の境界線を作ります。ではシミュレーションで確認してみましょう。
速度 X方向:粒子のX方向の速度を設定します。
速度 Y方向:粒子のY方向の速度を設定します。
これは2次元の箱の中を跳ね回る粒子の量子力学的シミュレーションです。量子力学なので、粒子は丸い粒ではなく波として表され、どこにあるのかはっきりとはわかりません。
「跳ね回る」運動は斜めの4種類の波の重ね合わせとして表現されています。4種類の波は動きが虹の移動としてはっきりしていますが、それらを重ね合わせると色の変化するいくつかの山となります。これがチェック模様の正体です。虹色というのは重ね方によっては補色同士が打ち消し合い、2つの色しか生き残らないものなのです。
速度を変えると、山の数が変わります。横方向(X方向)の速度を上げると横にたくさん山が敷き詰められ、縦方向だと縦に山が増えます。波動関数と言うと日常からかけ離れていてイメージするのが難しいと思うかもしれませんが、実は山の数で粒子のだいたいの動きがイメージできるわけです。
波の重ね合わせによって凹凸ができる理由を補足しておきます。虹色の波は平らなのに、どうしてそれらを足して凹凸ができるのでしょう?それは、同じ色を足すと強め合うのに対し、補色の色どうしを足すと波は弱くなるからです。たとえば、赤とシアン(水色)の波をたすと、波は消えます。
シミュレーションの山の部分では、常に同じ色の波同士が足されているのです。同じ色なので強め合い、高い山になっているのです。ただし、どの色が足されているかは時間とともに変化するため、山の色は変化しているわけです。
これはまた山が2色しかない理由も説明します。逆の方向に進む2つの虹を足すと、色の違いが打ち消し合い2色しか残らないのです。
この山は、高校の化学の教科書で習う、原子が化学反応する時の結合の「手」と同じものです。手の正体である電子も実は波動関数であらわされ、波の打ち消し合いにより波の濃い場所と薄い場所ができます。波の濃い場所には電子が存在する確率が高く、他の原子との結合の手になるのです(厳密に言うと「手」になれない「山」もあります)。原子によって手の数が違うのは、この山の数が原因の一つです。
じっさい、今回のチェックパターンは以前の電子雲の解説の図に似ています。
2次元の箱の中の粒子を表す波動関数にはしばしば四角が集まったチェック模様が現れます。これは、箱の中を跳ね回る粒子の4つの動きを表す波を重ね合わせると、打ち消し合いがちょうど四角のりんかくで起きるからです。
粒子の速度はチェック模様の間隔で表されます。ある領域に四角がたくさんしき詰められていたら、粒子は速く動いているということです。
チェック模様から箱の中の粒子の跳ね回る様子をイメージすることができます。